幻冬舎新書「山はおそろしい 必ず生きて帰る!事故から学ぶ山岳遭難」 羽根田治著
って本読みました。
登山者が山で遭った事故などなどをたくさん紹介してくれる本で面白かったです。
「面白かった」というとアレですが、私はこの本を野次馬気分で手に取ったことは事実だし、そういう動機で読んだり面白かったと思ったりしても別に何も悪くないと思います。教訓をちゃんと学べば。
私は登山を全くしないので、単なる好奇心だけで読んだ本です。
ただ私はアウトドアってほどでは無いですがサイクリングが趣味で、いや、普段の街中を歩く際にだけでもこの本から学べる教訓はあるかなと思います。急病とかハチに刺されるとか落雷とか盗難とか。
それ以外は山ならではの事故の実録集です。
沢に落ちるとか。
沢編では挿絵がインパクトありました。
リュックを背負って水に落ちたときウエストベルトを固定してたら呼吸ができなくなるってのは、「なるほどなああ!」と心底思いました。これ知らんかった。
あとスキー編では、雪洞に落ちたバックカントリースキーヤーの話があり、その挿絵もインパクト大。
この本は挿絵は少ないのですが、その少ない中で視覚的インパクトが際立ちます。
ちなみにこの人は自らスキーを外して意図的に沢に落ちる決断をしたそうです。
あと面白かったのは、冬の富士山に挑んだ登山者が、途中で登山に無知なアホが軽装で立ち往生してるのに遭遇して救助したという話。
いや面白くは無いです。ここは読んでてこのアホにイライラしました。
もし私が登山者だったらどうするだろう?
無視して見捨てるかなあ?
そういや私は以前、街中で自転車(ママチャリ)のチェーンが外れたおじさんを見かけたことがあって、私はそれくらいなら直せるので助けようかと一瞬思ったのですが、おじさんが「あー!」とか怒鳴って自転車を叩いてカンシャクを起こしたので無視して通り過ぎることにした、ってことがあります。
でもこれは命には関わらないから無視できたけど、関わるならさすがに素通りはできないかなあ???
ママチャリはおいといて、結局助けても助けなくてもどっちでもいいと思います。
助けることで自分が背負う損害や危険が大きいと判断したら自分の身を守る行動を選択して何も恥じることは無いし、「こんなアホ助けなくていい」とか思うのも、それを心の中で思うだけにして無言で通り過ぎるのならそれもまた一つの信念でしょう。悪態や暴言吐いたらアウトですけど。
このケースでは登山者もアホも救助隊も全員無事でした。なので「良かったね」とも思いますが、「もし他に犠牲者が出たら?助けようとして自分が死んだら?」とも思いました。
実際この本には三重災害が起きた例も載ってました。複雑です。
ま。読んでていろいろと感じたわけで、そう思うことが、他人の事故の例を見て学ぶ教訓になるんじゃないかなとも思います。
対岸の火事でもあり他山の石でもある、と。