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かぐや様は告らせたい250話感想 いろんな意味での「逃げ切り」

見事に逃げ切ってます

 

本当に「逃げ切ってる」という表現がぴったりだと思います。いろんな意味で。

 

週刊ヤングジャンプ21号 赤坂アカ かぐや様は告らせたい250話 「かぐや様は寂しくない」

 

さて記念すべき連載250回目のかぐや様!

 

ヤングジャンプでは連載回数が50回単位を突破する度に編集部から作者に盾が贈呈されるそうです。こんな感じのやつ。

 

 

かぐや様はこれで4枚目の盾達成、で、連載は5枚目にも届くのか、それともそれまでに完結するのか、どうなんでしょうね?

 

私は今は、描いてほしいものを全部描き切るまでは続けてほしいとも思うけど、なんかあるいは、作中のいくつかの物事に結論を出さないままぷっつり連載が終わる事態になってもある程度心の準備ができてるって心境です。

 

 

 

さて、えーと今週号の感想なんですが、読んでて心が動いたとかは特にありませんでした。すっごい「決めの回」ではあるんですけど。

 

 

それはやっぱりこのヘリキャッチのシーンに至るまでの話の経緯や辻褄とかに納得がいかないところが多かったせいです。すごく感情移入しにくくなっています。

 

石上白銀と一緒に(おそらく規格外の料金を払って超特例的なチャーターの)ヘリコプターで来てたことが判明しましたが、そもそもヘリで来る必要性、石上だけ先に降りて白銀がスタンバイして飛び続けてる意味、かぐやが崖から飛び降りてヘリに飛び移れる無茶な挙動、などなど、おかしいと思うところ多いです。遺言状を雲鷹に絶対渡してはいけない理由も無いです。

 

 

あとヘリの絵をしっかり作画してないのも、手を抜いてごまかしてるって印象が強いです。

 

せめて、ここの作画は、私なんぞが提案するのもなんなんですが、例えば、かぐやを追ってる雲鷹の側近天野からの視点で描き、まずババババと轟音が鳴って、天野が「なんだ!?」と動揺してかぐやを見ると、微笑むかぐやの背後の崖からゆっくりとヘリが上昇してくるシーンを連続見開きでしっかり描いたりしてれば、挙動も自然で絵的にもバッチリ決まったんじゃないかと思いました。

 

とにかく、ヘリの上から飛び降りてくる物体を安全にキャッチするなんていくらなんでも無理過ぎます。

 

あと話の経緯についても、石上は伊井野と生徒会室に残り(ペヤングも二人で食べて)、白銀は藤原&早坂と普通に新幹線で京都に行き、日没前には京都に着いて、そこで作戦を開始して別行動して、白銀は京都府内からヘリに乗れば良かったと思います。あと崖を合流ポイントだと打ち合わせする作戦シーンをヘリって言葉は出さずに事前に描いてあれば。納得できたかなと。

 

今回の展開はいろいろと設定や構想が雑だと思いました。

 

かつて花火や文化祭などなどではエモさと仕掛けを綿密に両立させてた同じ作者が考えたとは思えないです。

 

よって私の今週号の感想は「無理だろ」の一言です。

 

 

 

で、ここからは感想そのものとは離れた話になります。

 

私は何も物語に完璧なんて求めてなくて、多少の齟齬や気に入らない点があっても、他にもっといいところがあれば肯定的に鑑賞したいとは思ってるんです。

 

しかし今の展開は前者が後者を上回ってしまってて落胆のほうが大きくなっています。私は。

 

そう、「私は」です。この漫画を今読んでる読者達には「感動した」「エモい」って思ってる人も多いんです。

 

もちろん私と同感の読者も、あるいはもう見限って読むのをやめた人も相当数いることも事実です。

 

その一つの目安として公式アプリ「ヤンジャン!」のいいねの数があります。

 

20巻のころでは平均24000前後ってところでした。

 

しかし現在は15000前後に落ち込んでいます。

 

当然この数字が基準だなんて言う気は毛頭ありませんが、この落差は一つの目安にはなるかと思います。24000が15000まで62%に減ってるのはかなり顕著な変化です。評価は、落ちています。

 

(他作品、例えばゴールデンカムイなんかでは結末に近づきむしろ上昇してます)

 

 

しかし逆を返せばこれは「今でも62%の人気を保っている」とも言えます。15000だってかなりの数字です。

 

コメント欄も、減ってるとは言え賞賛の数も率も多いです。

 

 

また批判もありますが、批判への批判も多くあり、それにいいねが多くついてたりします。

 

 

私はこの辺りを観察しててコメントの一つに「伏線云々とかどうでもいいやん」というのを見つけ驚き、そしてすごく納得しました。至言だわこれ。

 

やはり整合性だの辻褄だのにこだわらない人ってのはそれなりにいます。私はその人達をバカだとか決して言わないし(私も作品によってはそうなる)、また、作者赤坂アカはその層を喜ばすことには成功してると言えます。

 

そうか、そうだよな、それもビジネスだよなあ~、と。ヘリの挙動とかどうでもいいんです。

 

それに、仮に人気の低迷がもっと激しいと見積もって、単行本新刊の売り上げが全盛期の半分になったとしても、それでも数十万部なわけで、赤坂はきっと何も困らないことでしょう。

 

もともとこれまでに超稼いでるし、そしてこれからも単行本印税以外でも、アニメ関連グッズ関連などなどのロイヤリティや【推しの子】の印税で彼は超稼ぎ続けます。

 

かぐや様という作品は、もうビジネスとして成功が完了した状態なんです。

 

連載初期には綿密に構想してた物語の仕掛けを、今は辻褄を無視して描いても客の62%が喜ぶし、完結した暁には関係者やファンからは祝福で迎えられることはもう確定しています。

 

私はこの状態を本当に「見事に逃げ切った」と感じます。今週号ヘリで逃げ切った白銀とかぐやの姿になんか妙に重ねて見てしまったのでした。

 

 

 

とま、つまるところ私はどうでもいいことを気にするうざくて不要な38%の側です。

 

いや、そこまでかぐや様って作品に失望しているわけでもないです。

 

最近の展開に関しての心情は、落胆6:静観3:期待1、ってところです。

 

でも作品全体に関してはまだまだ好きだという気持ちのほうが大きいと思います。

 

それは私にとってこの漫画で一番重要なのは伊井野であるからです。

 

(我ながら伊井野好きな気持ちが全くブレずにブログ続けてることがちょっと自慢です)

 

この漫画の伊井野の結末が満足を得るものであれば、私は、この混乱すらも「稀有な体験だった」と全体的には肯定的に受け止め、拍手するのではないかと思います。

 

また逆にもし伊井野の結末に失望する事態になったとしても、それはそれでやはり稀有な体験であり、その失望を感想ブログに書き残せばいいだけです。

 

私はそのどちらの結末になっても心の準備がもうできてます!

 

 

 

 

 

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