バキレギュラー地下闘技場戦士5人+野見宿禰 VS 大相撲力士6人のバトルが終わったようで、その感想というか何というか、読み終わって思ったのは、えー、良く言えばエキシビジョン、悪く言えば虚無。という印象でした。
読んでて特に何も心に残りませんでした。
週刊少年チャンピオンの板垣恵介のバキ道。
2019年末ごろからこの力士バトルが始まりました。
2020年の1年間はまるまるこれで、「澁川 VS 巨鯨」「独歩 VS 猛剣」「花山 VS 鯱鉾」と 「克己 VS 獅子丸」の途中までがかなりのゆっくりペースで描かれました。
そして今年2021年では7月までかけて「バキ VS 炎」「宿禰 VS 零鵬」が描かれてようやく終わりとなりました。
2年弱に渡るこの6戦では、何か「熱かった」「驚いた」「何かを感じた」とかいうものが、本当に特に無かったと思いました。
ちょっと意外だと思ったのは克己が試合放棄してわざと負けたことだけど、それだって、そういう結果になったからって何か心が動いたとかはありませんでした。
順に振り返ってみます。
先鋒戦。
澁川は巨鯨を圧倒して勝利しつつ、相手を称えました。
二陣戦。
独歩は猛剣を圧倒して勝利しつつ、相手を称えました。
三陣戦。
花山は鯱鉾を圧倒して勝利しつつ、相手を称えました。
四陣戦。
克己は獅子丸を圧倒したけどわざと負けて、相手を称えました。
副将戦。
バキは炎を圧倒して勝利しつつ、相手を称えました。
大将戦。
宿禰は零鵬を圧倒してあっさり勝利して、終わり。
本当にこれでこの力士バトル編は終わりました。
この要約は決して恣意的にでも悪意的に偏ったものでなく、本当に純粋な要約をしたと思ってるんですがどうでしょ。
で、「閉会式」では12人が並んで、アナウンサーが大相撲の健闘を称えて終わって、そこからすぐに宿禰が勇次郎に興味があることを徳川に告げるシーンになって、物語はそっちに進みました。
え?マジでこれで終わりなん?
金竜山が唱えてた大相撲の不甲斐なさとか復権とかはどうなったんでしょう。
そこは今後描かれるかもしれないので様子見です。
6人の力士のその後とか。
戦士達と戦ったことで己の潜在能力が覚醒して角界で大躍進するところとかが今後あったらいいと思います。
というか何も無かったらやばいと思います。
本当にこの力士バトルが、始まる前と終わった後で作品や物語に何一つ変化が無いものになってしまうと、本当に本当にやばいです。
あの宮本武蔵編ですら、烈海王が死ぬという変化だけは起こしてるのに。
むしろ終わった直後の「勇次郎は男を犯す趣味もある」って突発的新事実のほうがこの2年弱のバトルよりもインパクトが上なくらいです。
せめて何か、このバトルが行われたことで変わったことが少しでも無いとやった意味が無いですやばいです。
真面目に考えると、この力士6人は、つまりは、過去のバキで言えば最凶死刑囚5人、他作品で言えばジョジョ5部の暗殺チームやドラゴンボールのギニュー特戦隊のような「敵の刺客チーム」とでも言うべき鉄板設定です。
バキの死刑囚5人が今でも人気あるように、こういうキャラは本来人気が出ます。
でも今回はそうはならなかった。
ならなかった要因は、命がけのバトルでもないこと、散り際の美しさも特になかったこと、などなどでしょうか。
命がけバトルでなくスポーツ的なライバルなら、トーナメント大会方式だったら、もうちょっと、各キャラに思い入れようがあったかもしれません。
本当に、ただ出てきて長々予定調和を演じてそして帰っていったってだけの印象で、やばいと思ったのでした。
あと余談。横綱零鵬の過去回想で、彼の中学時代の体力測定で規格外の身体能力を見せて体育教師たちを唖然とさせるシーンがあったのですが、これってバキも昔やってませんでしたっけ?全く同じこと。
餓狼伝の漫画にもあったような気がします。