金子信久監修 エクスナリッジ 「かわいい江戸の絵画史」って本読みました。
タイトルの通り「かわいい」をテーマに江戸時代の様々画家を紹介してくれる本です。
私はもともと円山応挙の子犬の絵(表紙にもなってます)が結構好きで、他にもかわいい絵の画家がいるのかなと興味を持って読んでみましたが、やっぱりかわいいのは圧倒的に応挙の絵でした。
市内の図書館がコロナ関係でずっと閉館されてました。
そのせいもあり最近全然読書してません。
(ニンテンドースイッチでゲーム漬けになってるせいのほうが大きいのですが)
でもようやく再開されたのでさっそく行ってみてこの本を見つけました。
読書ブランクがあったから、活字だけの本のガチ読書よりもまずはこういう絵や写真が多い本で気軽に読書したい気分でしたし。
さて。私が個人的に思う「かわいい絵の日本画家」って犬の絵の円山応挙、猫の絵の菱田春草がツートップです。
(菱田春草の猫の絵の例)
でも菱田春草は明治時代の画家で、この本のジャンルには当てはまらないので除外。残念。
この本では、応挙の他には俵屋宗達、伊藤若沖、与謝蕪村、歌川国芳などなどが紹介されてます。
でも……「かわいい」とは言っても、その方向性がなんか「ゆるキャラ」とか「軽快なタッチ」みたいな感じで、私がイメージして期待したかわいい絵とは若干違う感じでした。
例えば歌川国芳のこういう猫の絵って、味があって魅力があるとは思うけど、応挙の子犬とかを見て感じるような「かわいい」「たまらん」とかとはちょっと違いますよね。
あとはゆるいタッチで描かれてる絵も多数あったのですが、これも、なんか、有名な人の作品だから持て囃されてるのでは?と思わなくも無かったりしました。
知らない人が同じような絵を描いてても心に響くかどうか。
と、この本のコンセプトにつまんない難癖をつけてしまいましたが、それを差し引いたとしても応挙の絵と解説が素晴らしいのでそれだけでも読む価値のある本でした。
日本画では古くから鳥獣戯画とかかわいい絵ってのは存在しましたが、そういうのはデフォルメや簡素化の要素が強く、写実的な絵で動物の愛苦しさを表現したパイオニアの画家なのだそうです。なるほど。
あとは長澤蘆雪のスズメの絵もちょっと好きでした。これも収穫。
気軽に読めるいい感じの本でした。
ちなみに私が応挙で一番いいと思ってる絵「朝顔狗子図」はこの本には載ってなかったのですが、調べてみたら東京国立博物館のショップサイトでクリアファイル売ってるの見つけました。
ちょっと欲しいです。
あと、これは本の内容とは関係ないことなのですが、この本の監修の金子信久ってのは、著者ではないそうです。
本の中身の文章は久保恵子という編集者・ライターが担当したそうで、じゃあこの本の著者は久保なんじゃないの?と思ったのですが、文章の内容は金子の講座で、久保はそれを文章に起こしただけ?
まーそのへんは微妙なところなのでしょうかね。
でも久保恵子も表紙に名前出してあげてもいいのに、ってちょっと思いました。