人間って、かなりの激務でも慣れてしまえば心身ともに最適化されてずっと続けても案外平気だったりします。限度はありますが。
逆にどうしても受け入れられないことはどれだけ続けても決して慣れることはありません。
週刊ヤングジャンプ 赤坂アカ かぐや様は告らせたい169話 「早坂愛のモーニングルーティン」
今週のサブタイの「ルーティン」、以前にかぐやが身につけた技「ルーティーン」とは、言葉としては同じなのですが、作中での意味は違うものとして扱われてるようです。
私なら前者は「ルーチン」って言います。ルーチンワークとかみたいに。
あ、でも「モーニングルーティン」なら「モーニングルーチン」とはあんまり言わないかな。
要するに「朝の日課」。
例えば私は毎日寝るときには「枕元セット一式」を入れた小箱を必ず枕元に置きます。
耳かきとかマスクとかメモ帳とかが入ってます。
起きたらまずそれの中身を確認して所定の棚に戻すのが毎朝の絶対の日課です。
(耳かきとかたまに寝ぼけて使ったのかなくなってることがあります)
(探せばもちろんそのへんに転がってます)
朝「顔を洗う」とか「身なりを整える」とかなら誰でもやることですが、この作業は私独自のものなので、厳密にというか狭義ではこういうのをモーニングルーティンと言うと思います。広義では顔を洗うとかも含まるかと。
さて早坂のMRはどんなんでしょう。
一言で言えば激務。
つうか朝も昼も関係ないです。
毎朝5時起きかあああ~。
そして(誰でもやる)身なりを整える作業が済んだら即仕事です。
この起きてから仕事が始まるまでの極めて短い時間が、早坂の「素」なようです。
(メガネ少女でした!)
彼女はたまに母親に甘えたがったりとか素が出ることはありますが、基本的にはその場に応じたキャラを常に演じています。この作品ではペルソナと表現してました。
そのまま朝から晩までひたすら四宮家へのお仕えです。
校内ではギャルキャラで、TG部とマスメディア部という強敵をなんとか処理します。
本当に本当に超ハードな激務です。
典型的な「漫画のメイド」としてありふれたつまんない一日が描かれます。
目にとまったのは、早坂はかぐやが暮らす東京四宮邸では事実上のリーダー的存在なのにあくまで下っ端であるってところくらいでしょうかね。
こんな激務、超ブラックで体がもたないと思ってしまうのですが、本人にとってはさほど苦にもなってないようです。
長年慣れてしまえば、頭と体が無意識のうちに最適な「疲れない振舞い」を覚えてしまうものです。
ただ睡眠時間はたったの4時間で、これはいくら10代の若々しい体力があっても、生まれつき睡眠時間が短くても平気な体質であったとしても、ちょっと無茶が過ぎるとは思いますが。
しかしそれよりももっと早坂の心に負担をかけている仕事があるようです。
彼女は本家のスパイなんでしょうかね?
私は今週読んでて「え!?早坂は裏でかぐやを裏切ってたの!?」とかはあんまり思いませんでした。
なんでか自分でもよく分かりませんけど。
「かぐやの言動を報告する」って、どこまでの範囲なんでしょうかね?
これが、白銀とつきあうようになったことも報告してたのなら、裏切ってると言ってもいいかもネー。
仮に、報告するふりをして実はかぐやの援護のために伝える情報の操作をしてたのなら、「毎日罪悪感に押しつぶされそう」なんて思わないような気もします。うーむ。
なんにせよ、普通人間にとって、自分が日々誰かに何か悪いことをしてるという罪悪感って、慣れてしまうことは珍しくありません。
というか人間が持つ自分の精神を守る本能からしたらそうなるほうが自然かと。
でも早坂はそれが十年以上もどうしてもできなかったようです。
苦しいことでしょう。
そして始まった修学旅行。
ウキウキだったかぐやは、早坂本人の口から急に「辞めます」と聞かされて急転直下、当日は思いつめた顔して早坂から離れなくなりました。
どうなるのやら。
結局のところこの物語は「早坂は本当に辞めるのか辞めないのか」の2択です。
ここまでの前フリを見せてから「実は辞めずに済みました!」ってオチだったらこれはこれでただの茶番になるのではないかと心配になります。
いや私は早坂に辞めてほしいとは微塵も思ってはないのですが。