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どろろ最終回感想 なぜ自殺する なぜ旅に出る

どろろ全24話視聴完了しました。

 

手塚治虫の原作は結末らしい結末が無い作品でしたが、今回のアニメでは決着は一通りちゃんとつきました。

 

そのことは良かったけど、全体的なストーリーも概ね良かったけど、決着の形は不可解だったというか私はどうも消化できずにいます。

 

その原因は、どろろの世界のルール、ひいては鬼神の約定のルールがかなり過酷で理不尽なものだったからだと思います。

 

世界そのものが理不尽だから登場人物の行動や心情も「え~?そうか~?」って不可解に感じたのかなと。

 

 

単純に言うと、最終回、まず、縫の方寿海多宝丸燃え盛る城に残ったところが理解できませんでした。

 

抜け穴があるんだから、百鬼丸どろろと一緒にみんなでそこから脱出したら良かったじゃんと。

 

ここが本当に、理解に苦しんでいます。

 

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なんとか解釈しようとすると、縫の方と寿海は意図的に火事場でチンタラやっててちょっと火が回るとすぐ諦めて悟ったような顔をして「ここで死のう」としてて、つまり自殺を選んだのかな、となるわけです。

 

となると今度は自殺するほどの動機がないといけないわけで、かろうじて縫の方には「かつて我が子を見捨てた罪の意識」があるからと解釈できなくもないのですが、寿海と多宝丸はちょっともう全然分かりません。

 

寿海は昔侍だったころに他人を惨殺しまくった過去があるのですが、仮にこれが動機だとしたら、殺人の罪の意識で死のうとする奴が、同じような業を背負ってる百鬼丸には「生きろ」って言うの、おかし過ぎません?

 

 

多宝丸は、もう百鬼丸との決闘で力尽きて縫の方に無理心中させられたとしか思えませんでした。

 

せっかく百鬼丸からはとどめを刺されずに済んだのに。

 

彼こそ生きて醍醐の国を立て直す使命と価値のある男なんじゃないの?

 

縫の方(と寿海)は死に物狂いで抜け穴のがれきをどけて多宝丸だけでも脱出させてあげるべきでした。どう考えても。いや自分達も生きようとすべきでしょう~。生きようとしろよ!!!

 

 

 

この三人の死は本当に、肯定的な解釈が全然できずにいます。

 

私が何か放送中に出た解釈の材料を見落としてるのかなあ???彼らの死を納得できるだけの材料。

 

 

 そしてもう一つ、体のパーツを全て奪還した百鬼丸が一人で旅に出た気持ちもいまいちよく分かりませんでした。

 

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なんか安い少女漫画の最終巻で両想いのカップルの片っぽが「好きだからこそ一旦距離を置こう」とか急に言って外国に行く展開を見てるような気分。

 

琵琶丸が多少解説してましたが、ここがまさにこの世界のルールを理不尽に感じたところです。

 

この世界はどうも、人が人を殺すと鬼神の修羅の赤いダークサイドに染まっていくルールなんだそうです。

 

 しかし百鬼丸は確かに激情で以って何人も人を殺しましたが、殺したのは横暴な侍とかであって罪のない人を惨殺したわけではなくて、私にはこれが人の道を外した所業だとはどうしても思えませんでした

 

ましてや昔の戦国時代。現代社会とは「やらなきゃやられる」度は比較になりません。

 

でもこの世界では百鬼丸の殺人も、彼自身が贖罪かなんかの旅をして禊でもしなきゃいけないほどの罪深いことのようです。

 

以前のブログでも書きましたが、この世界は、人が人でいられるための制約があまりにも厳しすぎて、悪人や鬼神にとって都合のいい世界観過ぎると思いました。

 

百歩譲って百鬼丸には「殺人の罪を背負って、これからの人生は人として世のため人のため生きる」ことが必要だとしても、それって別にどろろと普通に一緒に暮らして新しい国造りに尽くすことでも良かったんじゃねーの?って思いました。

 

 

 

あと話が少しずれますがどろろの国造りの思想もフワッとしてるなあ~って感じでした。

 

侍が幅を利かせて農民とかが搾取される世の中を変えるとしても、それで新しい国を自分たちで作るとしても、武力や防衛の概念を完全否定できるわけもないから結局国を維持するために武装した兵士は不可欠で、ただそれを「侍」と呼ぶかどうかの違いしか無さそう。

 

 

 

……とまー、なんか洒落臭いことをぐちぐち書いた私なのですが、決してこの作品は「出来が悪かった」と思ってるわけではありません。

 

なんつうか、100%の絶賛ではなくて不満点もあるんだけど、全体的には良かったとは思ってるんです。

 

まず百鬼丸が体のパーツを全部取り戻して無事に生き残ったことは心から良かったと思ってますし。

 

これは原作のどろろで達成できなかったことなので、私がこのアニメで一番望んでたことでもあります。

 

それに、美しく成長したどろろと、イケメンっぷりに磨きがかかったアニキとの再会や幸せを感じさせる希望のあるラストシーンもまー良かったです。

 

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鬼神を全員退治できたのも良かった。

 

 なんつうかなあー、本当にうまく言えないんですが、この作品は「どろろ」として視聴すると満足点高くて、どろろとは別物の完全オリジナル作品としてだと不満点が目立つ、みたいな感じかなああー。

 

やっぱり全然うまく説明できませんが、ともあれ私は不満点も満足点も両方感じてて、うまくまとめられないなりにありのまま感想を書いたってところです。

 

全24話視聴して良かったと、思ってます!

 

 

醍醐の巻

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