前に週刊少年ジャンプ本誌で連載しててWEB連載に移籍した大石浩二のトマトイプーのリコピン。
元から好きだったしWEBになって挑戦的な話も増えて面白くて楽しみに読んでいますが、今週(今月?)の話もまたとんでもない反則技を見せてきました。
唖然としたけど、同時に感心も笑いもしたので、私は支持します。
さて。前のハロウインの話はエンドレスエイト的なループ物をやったり、本誌ではできなさそうなネタを積極的にかましてくれるリコピン、今月は話自体はとりとめもないクリスマスの話でした。
パパから「クリスマスプレゼント何が欲しい?」と聞かれても「べつに」とそっけないめめちゃん。
幼いころ両親と撮った写真を見ながら「一番欲しいものはサンタにもパパにも無理」って言ってて、つまり今は亡きママとまた会いたいんだなと読んでるとこっちは思うわけです。
きっとラストはママが生前に遺したメッセージを見つけるみたいなしんみりほっこり系の話かなと思うわけです。
でも全っ然違ってました。
ママ生きてました。普通に。
はあ???
めっちゃ普通に帰宅してて、めめちゃんもただ単にママと「あんまり会えない」程度の寂しさを感じてるだけでした。
ラストページの煽り文は「アレ?…と思ったリコピンファンの君!次のページに補足があるよ!」。
なんじゃそりゃ。
で、次のページに本当に補足が載ってました。
ジャンプ本誌でラスト付近の「ママはすでに亡くなっていた&めめちゃんはそれをずっと精神的に受け入れられなかった」という話は、WEB版リコピンでは存在しない歴史となったらしいです。
要するに本誌のラスト3話の29話~31話は「なかったこと」になりました。
(ついでに28話以前に散りばめられてたママ死んでる伏線もなかったことに)
はあ???
こんなことをやる人間が漫☆画太郎とピエール瀧以外にもいたとは。
呆れましたが、同時に感心もしました。
今回の話は本誌リコピンを知ってた読者の予想をナナメ方向に覆して、さらに補足の文章そのものがネタになっています。
たぶん「はあ???」と思ってもらおうとやってるんだと思います。
じゃあ読んでるこっちも「はあ???」と呆れて笑うのがよいのだと思います。
ママが既に亡くなってる設定が暗くてギャグ漫画の継続が困難だというのも理解できます。
ただ、そこに関しては、ママの死の悲しさを踏まえた上でもギャグ漫画を成立させることは大変だけど不可能ではないとも思ってたので(ギャグ回と泣ける回が混在する漫画のように)、そういう高度な手腕を見たかったって残念な気持ちも若干あります。
しかしまーやっちゃったもんはしょうがない。
私がこんな反則技をアリと思えるのはリコピンだからです。
他の漫画がいきなりやったら受け入れにくかったかも。
前にこぐまのケーキ屋さんをパクッたり「いいのかよ」ってネタを果敢にやってきた実績がこんなのをもOKとするんだと思います。
もしかしたら今回のこれを駄目だと思う人も世の中いるかもしれませんしそれを否定もしませんけど、私は笑いましたので、まーいっか!っと。