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進撃の巨人111話感想 耐える老人と耐えられない若者

今月号の進撃の巨人は、ピクシス司令サシャの父親、二人の老人が輝いてた話でした。

 

泣かせます。

 

血で血を洗う報復の連鎖をなんとか止めようと老人が歯を食いしばって必死に耐えてます。

 

でも老人だからこそそういう境地になれるってところもあるんだろうと思います。

 

若者はなかなかそうは思えません。

 

それにそもそも全世界を巻き込む規模の報復の連鎖をどうやって止めたらいいのやら。

 

 

 

さて冒頭はクーデターを起こしたエレン達「イェーガー派」の処遇について、調査兵団ハンジ憲兵団ローグ醜い責任の押し付け合いでした。

 

ローグとナイルは独断で誰かにエレンを食わせるなんてことが可能だと思ってるのが認識が甘いし、ハンジも最近はいいとこなしでかっこ悪いです。

 

ハンジが他人事のように分析している兵団の現状は自分たちの判断が引き起こした結果なのでは?

 

エレンを牢に入れたのがそもそも間違いだったかも。

 

いいかわるいかとかエレンを許すべきかどうかとか以前に、エレンを止めるのは不可能だって意味で。

 

ただジークが胡散臭すぎてそのまま計画進行するのに抵抗があるのもよくわかります。

 

 

まー後悔しても時既に遅しですが、この期に及んでも兵団のつまらないメンツに固執しててもしょうがなくて、イェーガー派に降参するしかないと最初に判断を下したのがピクシス司令。

 

憲兵団はザックレー総統を殺されたことの怒りがおさまらないようで、とにかくエレンに頭を下げる、服従するっていうのにすごく不満そう。

 

しかしそんなメンツとか恨みとかに固執して戦ったところで、国が滅びるだけ

 

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ピクシスは歯を食いしばって耐えることを訴えます。

 

ザックレーは決していい人だったとは言えないし、殺されたのもエレンを殺そうとしてたからだけど、ピクシスにとっては長年の付き合いでいろいろと積もるものがある仲間だったのでしょう。

 

つらいです。

 

しかし不毛な殺し合いを避ける判断はさすがです。

 

イェーガー派とうまく交渉できればいいんですけど。

 

 

 

アズマビト家キヨミは、お家の存続のために守銭奴と化してるのを自嘲気味に自覚しながらもそれでも一族のことを考えているようです。

 

ミカサの母は高貴な家系ぽいです。

 

この漫画は全世界は何ヶ国あるのか(そもそも地球なのか)分かりませんが世界中たった一国だけこっそり地鳴らし側についた超危険な投資というか博打に出たアズマビト家、はたしてどうなるのか。

 

 

 

そして場面はマーレ人捕虜ニコロが働くレストランへ。

 

ちょうど同時に、ハンジが「怪しい」と調べに来るのと、ブラウス一家の食事会が重なるという神懸かった最悪のタイミング。

 

カヤはサシャの葬儀でニコロと出会い彼がマーレ人の捕虜だと知って、ミアとベンことガビファルコに引き合わせてくれるという親切をしてくれますが、初めて読んだときにももう恐ろしい予感しかしませんでした。

 

先々月号のときも思ってましたが、彼女の目の前にいる少女は自分の姉を殺した実行犯なわけで修羅場の予感です。

 

 

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「ケソケソする」というのは九州弁で「キョドる」みたいな感じの意味らしいです。

 

 

 

 

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なぜカヤの義父がマーレ人捕虜のレストランに招待されたのか、その事実の恐ろしさにいち早く気づいたのはファルコでしたが、料理のあまりのおいしさに思考が止まってしまいます。

 

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(今月の擬音「ポバクシバク」ってマジで何?)

 

ここでファルコがもっと思考を巡らせることができたら悲劇は回避できたかもしれなくて、ニコロの料理の腕が恨めしいです。

 

ニコロは本当に純粋な厚意でサシャの家族をもてなしてくれてるようです。

 

 

 

しかし、そんなときにハンジたちが急に訪問して「聞きたいことがある」と言われて、めっちゃ後ろめたそうな顔になります。だめだこりゃ。

 

決定的なのがジャンコニーに「兵団内で噂のワイン」を見つけられたとき。

 

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血相を変えて取り上げて、人種差別発言までしてワインから意識を必死に逸らします。

 

あのワインは、108話でローグやナイル達憲兵団上官がグビグビ飲んでたものです。

 

まー結論から言って飲んだらやばい代物なわけで、ニコロは、自発的にか強要されてかはともかく、クソ憲兵団には飲ませるけど、ジャンたちには飲ませずに守りたいとか思ってるんでしょうかねえー。

 

複雑な心理が垣間見えます。

 

 顔が憔悴しきってて、自分がろくでもないことの片棒を担いでる自覚はあるようです。

 

 

打ちひしがれてるニコロに追い打ちをかけたのがガビとファルコ。

 

自分が名誉マーレ人だと明かしてしまい、そして「ろくでもないこと」を未だに全く自覚できてないガビがマーレのテンションのままで「私達は卑怯な悪魔共には負けません」とか言ってます。

 

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ガビは本当にバカです。

 

自分の中のマーレの価値観がカヤを論破することもできないくらいガタガタなのにそれを認められず、とにかく全て悪魔共が卑怯だからだってプロパガンダを真実だと思おうとしている。少なくとも鹵獲されてから誰からも何にも卑怯な扱い受けてないのに。

 

サシャを殺したことをニコロに向かって誇らしい手柄のように語るガビは見てられません。

 

 

ニコロがブチギレる気持ちも分かります。

 

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激昂して「噂のワイン」瓶を振り下ろしますが、それはガビを庇ったファルコに命中。

 

騒ぎになってしまい、あとは一気に全ての事実が明らかになってしまいました。

 

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サシャを殺した犯人が偶然サシャの家族に保護されるというのはちょっとできすぎなんですけど、なるべくしてなった必然の運命のようにも見えて、「こんな偶然ありえないだろ」とか萎える気持ちは、私は読んでて不思議と湧きませんでした。

 

ともあれ、あとはガビを殺せば解決です。さっさと殺しましょう!

 

 

ガビは自己弁護します。

 

自分がサシャを殺したのは、ウドゾフィアや収容区のみんなをサシャ達に殺されたからで当然の報復だと。

 

しかし、サシャというかエレンが殺しにきたのは、そもそもライナー達がみんなを大虐殺したからだし、世界中が島の人々を根絶やしにしたがってるからだし。

 

絵に描いたような典型的な報復の連鎖。

 

そんな緊迫した泥沼のこの場面で、ブラウスは報復の連鎖を自分のところでストップしようと、ガビを許すというか救うのだと言います。

 

悲しい老人がまたここにも一人!

 

しかも軍人ではない人間の言うことなので重みが違うようにも感じます。

 

 

ただ、この場面は、ニコロという激昂して大暴れした人間を先に目の当たりにしたから、「異常にキレてる奴を見ると自分が冷静になる法則」が働いてるようにも見えます。

 

それにもしサシャを殺したのがこんな少女ではなく、おっさんとかだったら、ブラウスはそのおっさんを救うことはできただろうかって思いも湧きます。

 

 

ガビはブラウスの判断が予想外なようで「私が憎くないの?」と聞きますが、その瞬間に今度はカヤがガビに刃物を向けてきました!

 

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間一髪でミカサが助けてくれましたが、実際に「私を憎んでる人」がここに新たに誕生してしまい、しかもそれが今まで自分たちによくしてくれたカヤで、ガビはここでようやく自分がサシャを殺した重みを肌で感じられたんじゃないでしょうか。

 

いや、うーん、ガビは心底バカなのでまだ分かりません。

 

来月以降も島内人を悪魔って言い続けるかもしれません。

 

 

 

そして衝撃のラストシーン。

 

ニコロがジャン達に触らせずに、ファルコを殴ったワイン瓶には「ジークの脊髄液」というとんでもないものが入っていたようです。

 

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ジークはコニーの故郷ラガロ村を襲ったときのように、自分の脊髄液をほんの少しでも摂取したユミルの民を叫び一つで無垢の巨人にできます。

 

ファルコも憲兵団もこれでもうアウトで、ジーク達の計画はハンジたちを完璧に出し抜いてます。

 

おそろしい。

 

 

 

しかしこのシーン読んで、ニコロがひどいと思いました。

 

さっきサシャのことを「クソみてぇな戦争から俺を救ってくれた」とか偉そうに言ってたから、もう戦争から完全に離れて純粋に料理人になったのかと思えば、バリバリ工作員を続けてるんじゃんと。

 

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それってサシャを裏切ってないか。あんた。

 

なんかちょっと同情する気持ちが下がりました!

 

 

 

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