左巻健男「暮らしのなかのニセ科学」 平凡社新書 って本読みました。
その名の通り科学者がいろんなニセ科学を紹介して「これニセ科学ですから!」と訴える本です。
様々なジャンルのニセ科学を滅多切りにしてます。
冒頭のツカミはスティーブ・ジョブズの話でした。
2003年にすい臓がんが見つかりましたが、それは治療できない「腺がん」ではなく治療の希望が大いにあってしかも早期の「すい臓神経内分泌腫瘍」だったそうです。
結果論ですがその時点で手術してれば長生きできてたかも。
しかしジョブズは手術を拒否。
そのかわりにやったのが菜食主義、ハーブ、心霊治療、コーヒー浣腸。
そういうのを9ヶ月やって、検査したらがんは(案の定)大きくなってて肝臓にも転移してました。
そこで手術したけど手遅れで、がんの転移を止めることはできないまま2011年に56歳で死去。
手術を拒否したことをかなり後悔していたと証言が残ってるとか。
まー、アレです。
ジョブズってバカだなと思うのは簡単ですが、筆者はそういう心理も人として理解できる気もすると書いてます。
つまりはジョブズのような人でもニセ科学に騙されてしまうものだと。
人が騙されてしまうメカニズム、信頼できない情報とは何か、などなどをちょっと解説してくれてます。
(体験談はこの世で一番信頼できない)
筆者がニセ科学と戦う決意をしたのは「水からの伝言」って本だそうで。
同じ時期に筆者が安全な水についての本を出したのに、「水から」のほうがバカ売れしたのがむかついたからだそうです。
あーそれは確かに災難です。
あの本めちゃくちゃでしたもん。
しかもバカ教師が小学校で道徳の教材に使い始めたもんだから、筆者はちゃんとニセ科学をニセだとバカにもわかるように説明する活動を始めました。
この本でコテンパンにしてるニセ科学を、並べてみると。
がん部門
コーヒー浣腸
純金で患部をさする「ごしんしょう療法」(川島なおみがやってた)
放置断食療法
アガリクス
フコイダン
プロポリス
サメ軟骨
ベータカロテン
サプリ部門
クロレラ
ウコン
グルコサミン
コンドロイチン硫酸
ヒアルロン酸
コラーゲン
DHA
EPA
コエンザイムQ10
プラセンタ
しじみ
ブルーベリー
ルテイン
黒酢
亜鉛
大豆イソフラボン
L-カルニチン
健康法部門
全てのダイエットサプリ
水ダイエット
ホメオパシー
血液サラサラ
経皮毒
「買ってはいけない」
トルマリン水
ゲルマニウム水
水素水
メーカー部門
マイナスイオン(発掘あるある大事典の罪は重い)
プラズマクラスター
遠赤外線グッズ
抗菌グッズ
教育部門
「水からの伝言」
江戸しぐさ
EM(有用微生物郡)(筆者はこれが一番危険なニセ科学だと主張してます)
以上、これぜーんぶニセ科学だそうです。
全部「有効だという科学的根拠がない(どころか有害)」「体に必要な要素だからってサプリで摂取する意味がない」「そもそもデタラメ」のどれか。
さもありなんのむべなるかなって感じです。
例えばコラーゲンは綺麗なお肌を構成する物質ですが、コラーゲン食べたって消化したら分解されるし、肌に塗っても肌がコラーゲンを吸収するメカニズムなんて存在しませんし。
甘いイチゴを栽培するために畑に砂糖を撒いても意味がない…ってのは誰が言った言葉だったっけ。
「今はまだ科学的データがないけど、ひょっとしたら効くかもしれないでしょ」という心理が人に品物と不相応に高い料金を払わせるという、本当もう避けられない心理なのかもしれません。
あと「科学者は自分の世界しか物を見ないだけで、現に多くの人に効果があったのよ」ってのも「効果があった」がそもそも巧妙な詭弁や詐欺だったりとか。
「本当に効き目があるのなら、どっかの健康食品会社だけじゃなくあらゆる会社が製品化して大量生産されて値段は安くなるはずだ」という筆者の理屈には私も賛成します。
ちなみに私はネイチャーメイドのマルチビタミン&ミネラルとカルシウムのサプリを毎日飲んでます!
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