週刊少年サンデーの「シノビノ」、好きな漫画でしたが最終回になってしまいました。
主人公がじいさんな歴史漫画なだけあって、何十巻も続くような物語にはなりえないことは最初から分かってたことですが。
終わっちゃったのは残念です。
でもやっぱり終わるのちょっと早いと思ったし、しかも最後のほうがかなり駆け足で、まー打ち切りなんだと思います。
結末は主人公沢村甚三郎と宿敵坂本龍馬の直接対決であることは規定路線だとしても、もうあと単行本一冊分くらいの枠があれば、重厚なラストバトルになって各キャラも活かせて、かなり綺麗な終わり方にできそうだったのにと思いますが、まー仕方ない。
商業漫画雑誌連載の厳しいところなのでしょうですね。
坂本龍馬をかなりの悪人という設定にしたのは本当に新鮮で素晴らしかったと思います。
彼は結局のところテロリストでしたが、一時期は「るろうに剣心」の志々雄真実のただの劣化コピーのようなことしかしてなくてちょっと落胆したものですが、最後の最後で「日本転覆を狙うテロ行為」ですら彼にとっては大した目的ではなくて、彼は自分の内なる闇というか虚無にしか目を向けてない感じなのはいいと思いました。
やっぱりもうちょっと深く物語を描くページがあればなあ~と思わずにはいられませんでした。
連載中いつの時点で「あと○回で最終回です」という宣告をされたのか、なんか割りと前から宣告されてたようにも見えますし、かなりいきなり宣告されたような印象もしないでもないです。
どっちなのかは、読者にとっては永遠に謎。
しかし、限られたページ数で、駆け足とはいえなんとか決着らしい決着をつけたことは見事だったと思います。
主人公とラスボスの決着がつかないまま「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドになってしまうのは本当にちょくちょくあることですから。
龍馬が頭を負傷して亡くなったのは確か史実なんでしたっけ。
そして史実では実行犯が誰なのかは、京都見廻組が有力ではあるものの諸説あるんだとか。
この漫画ではそれが沢村甚三郎(沢村保祐)という設定となって、これは私が望んでた決着のつけ方ではあったので、そこは満足してます。
平助が二代目甚三郎となって龍馬を殺すのかなと思ったこともありましたが、じいさん本人がボロボロの老体で頑張ってくれました。
私はこの結末の形を70%の無念と30%の満足を感じながら読みました。
この漫画は細かいところを見れば粗も多かったですけど、いくつもの素晴らしいアイデアと漫画ならではの勢いにはとても楽しませてもらいました。
作者大柿ロクロウには、まー打ち切りは無念ではありますが、素直に感謝と労いの拍手です。
(ラストシーンは北海道?)