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進撃の巨人105話感想 勝者なき大勝利

今月号は「こういう展開はもうないだろう」と思ってたことが起きててビビリました。

 

完全に作者諌山創の掌の上です。

 

 

最初に読んでまず目に飛び込んできたのはサブタイトル「凶弾」。

 

その瞬間に「あ…」です。

 

今この場で凶弾と言えば思いつくのはガビの持つ銃以外なくて、この時点で今月はどういう話なのかある程度の予想というか覚悟というか身構えができたわけです。

 

実際には「ある程度」とか軽く飛び越える事態が待ち受けていたわけですが。

 

 

最初に言ってしまうと、今月はとんでもないことが2つ起きてて、ひとつは「エレンジークが繋がっていて、マーレ軍はもとより、調査兵団ことパラディ島の悪魔こと新生エルディア帝国側も二人に否応なく振り回されていたと発覚すること」そして「サシャが撃たれて死亡すること」でした。

 

最初に読んだときは本当に「マジかよ」と思いました。

 

この漫画は容赦なく人が死ぬ漫画ですが、そうは言っても「死ぬキャラ」と「死なないキャラ」は区別されてて死なないキャラは結局なにやっても死なないと私は思っていて、サシャは「死なない側」と思い込んでました。

 

仮にそういうキャラが死ぬとしても、一大イベントとして大々的な扱いで死ぬと。

 

エルヴィンとかケニーとかがそうでした。

 

 

でもサシャはあっさりとあっけなく死んでしまいました

 

彼女の死はもちろん大事件で登場人物もその事の重大さを痛感してて、決して軽く扱われてたりはしてませんが、死に方は超あっけなかった…。

 

 

さて今月の話の冒頭、リヴァイはエレンと(おそらく久しぶりに)再会するやいなや、顔面キックです!

 

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2度目の。本人も「懐かしい」と言ってます。

 

そしてそれを見た瞬間ミカサが止めようとしてアルミンがそのミカサを止めるのも前と同じ図式です。

 

違うのは昔のはリヴァイはエレンを救うためにやって、今は彼は本心からエレンに業を煮やし怒りでやってるところです。

 

リヴァイは本当に心からエレンに幻滅しているようで、本気の侮辱の言葉も吐いたりしてます。

 

 

このシーンって、リヴァイがエレンに完全敗北したことを意味してて「リヴァイのほうが屈辱を受けているシーン」です。

 

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リヴァイはエレンに屈服させられた腹いせに蹴ったり負け惜しみ言ってるだけで、これはリヴァイの醜態です。

 

こえー。

 

リヴァイたちはエレンからの手紙で、ジークと組んで「新生エルディア VS 全世界」の戦争始めることに従うしかありませんでした。

 

そのせいで彼はエルヴィンとの約束を反故にしました。

 

「ジークは俺が殺す」っていう。

 

そして事前に打ち合わせした通りに獣の巨人と「戦ったふりの演技」なんて茶番までやらされました。エレンに。

 

エルヴィンとの約束ひいては自分の信念を曲げたことになります。

 

そうせざるをえなかった。

 

ここで自分の信念を貫いてエレンを無視してジークを殺したら、国がまた地獄になるだけだから。

 

リヴァイはそんなことはできない人間だとエレンに見透かされていいように利用されて、その腹いせのための顔面キックです。

 

リヴァイがこんな無様を晒すのは初めてでしょうか。

 

しかしそれに至る彼の無念や悲しさがすごく伝わってきて読者の好感度は微塵も落ちないようにしてあり、さすがはこの漫画ナンバーワン人気キャラです。

 

 

 

 

しかしまー私は完全に騙されてました。

 

ここ数話を読んでてリヴァイとジークが組んでる可能性は完全になくなったと思い込んでました。

 

以前の感想ブログでは、リヴァイが獣の巨人を倒したときに、ジークがここで死ぬとも思えないけど、リヴァイが仕留め損ねるとも思えなくて先が読めないと書きましたが、まさかリヴァイが仕留めたふりのお芝居なんかしてたとは。

 

 

 

そのエレンとジーク主導の奇襲は大成功となりました。

 

戦果は、戦鎚の巨人車力の巨人パンツァー隊タイバー家、世界各国の要人、マーレ軍港の主力艦隊、レベリオ収容区に住む(巨人の駒になりうる)エルディア人達…1万人以上は殺せたかと思います。

 

味方の損害は、この時点で6人と。

 

大勝利フロック達は歓喜しますが、ジャンは殺し合いにうんざりしてて、コニーはジャンとサシャが生き残ったことを素直に安堵します。

 

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このカット、最初に読んだときはほっとする絵で、読み返して見るとめっちゃ悲しい絵でした。

 

死亡フラグってやつです。

 

 

 

地上では、「凶弾」の持ち主ガビが、なんの罪もない収容区の人々が「悪魔」に殺されて何もかも失ったので、悪魔を一人でも殺して自分も死のうとします。

 

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ガビは昔のエレンと似てるけど、絶望的状況で玉砕して死のうとするところは違うかなあー?

 

そしてガビは「自分らは正義で敵が悪魔」と信じ込んでいますが、ファルコはその洗脳をさっきクルーガーさんことエレンに解かれてしまい敵を討つ大義が揺らいでいますが、それでもガビを守るために同行を決意。

 

敵に7人目の損害を与え、立体軌道装置を使って飛行船に乗り込みました。

 

 

そこには大勝利に浮かれて気が緩んでる兵団が。

 

ガビは「ゴロォ」と転がって即座に射撃。

 

サシャは撃たれて「ドサッ」と倒れます。

 

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ここ、その間の数コマだけは、銃声とか、サシャの腹に着弾する擬音、本来あるはずの擬音の描き文字が一切ないサイレント演出になってます。

 

細かいけどぞわっとする演出です。

 

 

サシャは意識朦朧で、「…肉」と呟いたのを最後に動かなくなります。

 

 

場面は変わって、ピークはなんとか回復してマガト隊長と話してます。

 

自分たちを罠に落とした謎のノッポ兵士は誰だったかを思い出したとか。

 

彼女イェレナは、3年前にパラディ島に向かって行方不明になってた調査隊の一人だと。

 

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ジークの信奉者だと。

 

ってことは…ん……つまりどういうことだ???

 

 

かつてエルヴィンやベルトルトが死んだあのシガンシナ区の戦いから1年後くらいのすぐに今回の奇襲の計画はもう始まってたってことなんでしょうか?

 

途方もないです。

 

オニャンコポンもその頃に加入したメンバー?

 

 

 

ガビとファルコは運よく(運悪く?)その場で処刑されずにジャンに拘束され、「首謀者に会わせてやる」と拘束室に入れられます。

 

そこにいたのが、エレンとジーク。

 

そして今回の奇襲がエレンとジークに仕組まれたものであることが明かされました。

 

ハンジとリヴァイが本当に不本意そうで、無理やり従わされたんだろうなあーって伝わります。

 

しかし、エレンとジークが組めば、世界をどうとでもできることは確かに間違いないです。

 

タイバー公が恐れていた、島の壁に埋まってる大量の超大型巨人を思いのままに操る手段を得たわけですから。

 

 

ガビとファルコは今日一日で自分の価値観が何度もひっくり返されまくって、今後どうなるか気になります。

 

ガビは自分を「悪魔を二人殺せた誇り高き戦士(の候補生)」と思っていますが、飛行船にいる人たちにとっては「サシャを殺した犯人」でしかなく、今後自分が信じてた世界が崩れ去って精神がもつか心配です。

 

ファルコはこの世界に悪魔なんていないことを気付き始めていて、今後どう動くかわかりませんが、ガビのために人生を尽くすんでしょうか。

 

あ、ガビが昔のエレンだとすれば、ファルコはミカサみたいなものか(弱いけど)。

 

 

 

そして、サシャ死亡の報告がなされました。

 

悲しみに暮れるかつて苦楽をともにした仲間達。

 

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リヴァイもいつもの仏頂面とはなんか違くて、苦悶を隠しません。

 

 

これまでずっと散々やりたい放題、強攻策を押し付けて仲間を巻き込んで誰に何を言われても顔面キックされても平然としてたエレンですが、ここでようやく表情らしい表情を見せました。

 

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自分の良く知る人間だけは誰一人死なずに済むなんて、この漫画では許されませんよと。

 

 

レベリオ収容区戦はこれにて終了、次回はどこでどんな話になるのか不安でそして楽しみです。

 

 

 

 さらば芋女。

 

芋女を直接殺したのはガビだけど、その事態を招いたのはエレンで、エレンをそうさせたのはレイス家とマーレ軍、ひいては全世界という。

 

進撃の巨人(25) (講談社コミックス)

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