今放送中のキラッとプリチャン2期、声優の佐々木李子がすごいなあと感心して視聴しています。
まず、歌がめっちゃ上手ですし、それと今は一人三役を見事に演じてます。虹ノ咲だいあとVPIだいあと黒だいあ。
でもこの二つは特に珍しい技能ではありません。
歌が上手な声優なんて大勢しますし、一人何役の演じ分けもそうです。両方とも上手でも特別すごいことではないと思います。
私がすごいと思ったのはそのへんのことではなくて、佐々木の虹ノ咲を演じる際の喋り声と歌声が全っ然違うのに、その、違うところこそが作品に素晴らしい効果をあげていると思わせてくれるところです。
で、世の中にはそういうことができる声優がいるんだなあーと約一年前のゾンビランドサガで紺野純子役の河瀬茉希に感動したことを思い出しました。
今日のブログは私がこの二人に感心したことをちょっと語りたいです。
まず基本的で根本的な話になりますが、声優ってのはアニメキャラを演じるときに声を作ります。
さらにそのキャラが歌っているって設定の曲を歌うときには、やっぱり声優は素の地声ではなく作ったキャラの声で歌うわけです。
この、作ったキャラの喋り声と歌声は「合っている」と感じさせるものでなくてはいけません。
喋り声は高いのに歌声が低かったりしたら「全然キャラの声になってないじゃん」となり、仮に演技と歌がそれぞれ上手くても「キャラの声で歌う能力が低い」って評価になります。
……と、私は思ってたんですが、「そうとも限らない」「違うことが魅力にもなる」ってことに初めて気づかされたのがゾンビランドサガでの河瀬演じる純子の喋り声と歌声の違いでした。
純子の普段の喋り声は細くて弱めですが、歌声は太くてめっちゃパワフルでした。
全然違う!
普通ならただ「合ってない」で終わっちゃうことですが、これがなんで素晴らしくなるのかというと、答えは簡単で、純子がそういう人物だから。
伝説の昭和のアイドル純子は、普段は性格も喋りも控えめだけど、いざステージに立って歌うと何かすごい力を発揮する女だから。
河瀬は「歌うと別人になる人」を喋り声と歌声の違いで見事に演じたわけです。
スーザン・ボイルみたいな感じかな。違うか。
ともあれ、単純な話ですが私にはコロンブスの卵でした。
普通だったら喋り声と歌声が違うのは良くないことだけど(特にキャラソンとかアイドルアニメとかでは)、そうはならない場合があることを私は初めて知って固定観念を覆されて感心したのでした。
プリチャンの虹ノ咲もそれに近いキャラです。
彼女は前髪で顔を隠して、どこへ行くにも学校の制服しか着なくて、超引っ込み思案の超対人恐怖症で友達が全然いない独りぼっちの子。(でした)
しかしとてつもない才能と実績の持ち主であることが少しずつ明かされていきました。
中学二年生にして世界のトップレベルのプロファッションデザイナー集団「デザイナーズテン」の一人と。
それに加えて歌も超~上手で、多彩な天才少女です。
つまり、主人公桃山みらいが今の時点で、七星あいらなどなどからデザイナーの素質を見出されて、そしてアイドルとしてステップアップしていて、二つの「じわじわ開花しているもの」を、既にはるかに高いレベルで兼ね備えているんです。虹ノ咲は。
虹ノ咲はみらいに(時にやばい感じで)心酔してる描写が多いのですが、実は彼女のほうがみらいよりずっと先を進んでいるというアンバランスでおそらく危うい描写を、この普段の弱弱しい喋り声と超上手な歌声の違いが、すごく説得力を与えてくれています。
そこが素晴らしいんです。
(このへんは語り始めたら長くなるので2期終わったらじっくりブログ書きます)
こういうキャラを担当する声優は、まず実際に歌が超上手でないといけません。
そしてそういう物語と、演技や歌の指示ができる監督とかに恵まれること。
あとはその喋りと歌声の違いがちゃんと出せること。
これらの条件が揃ったのが、ゾンサガの河瀬とプリチャンの佐々木なのかな、って、思ってます。
と、いやまー、今日のブログは全部私の主観の感想で、製作側が実際そう意識してるかどうかは私は全く知らないことです。
知りませーん。でも別にいいんです。私は自分の勝手で感心できればそれでいいんです!
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