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「悪魔の降誕祭」感想 たまに古い探偵小説が読みたくなる

横溝正史の「悪魔の降誕祭」を読みました。

 

名探偵金田一耕助のシリーズもので、単行本には表題作と「女怪」「霧の山荘」も収録されてました。

 

以下ネタバレ無し感想。

 

私はなんか「いかにもって感じの古い探偵小説が読みたいなあ~」って気分になることがたまにあって、そういうときには金田一耕助シリーズはうってつけです。

 

 

 

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というかそもそも古い探偵小説(推理小説と似て非なるもの)を読みたくなるようになったきっかけが、以前本当に気まぐれで「八ツ墓村」を読んでみたら超面白かったことだったので、ただ単に金田一が読みたいだけなのかもしれませんが。

 

金田一シリーズは長編短編合わせて70作以上はあるそうですが別に、全部読む必要があるとか時系列を把握する必要があるとか、そういうの全然ないみたいで読みたい気分になったら適当なのをつまんで読めるという気軽さがいい感じです。

 

ただ、今回短編集の3作読んでみたところ、やっぱり長編のほうが読み応えがありました。

 

次からはまず長編から読んでくことにしようっと。

 

 

ちなみに金田一シリーズでタイトルに「悪魔」がつく作品は「悪魔が来りて笛を吹く」「悪魔の手毬唄」「悪魔の寵児」「悪魔の百唇譜」「花園の悪魔」「悪魔の降誕祭」6作もあります。

 

悪魔好きやなあー。

 

いや、このころの探偵小説は悪魔に限らず死神とか悪霊とかそういうおどろどろどしい単語をタイトルに入れるのが主流なだけなのかな。

 

 

 

さて本編の感想……というかまず書きたいのは単行本の後ろの解説文を読んだ感想です。

 

日本が誇る名探偵といえば、この金田一耕助と、江戸川乱歩明智小五郎なわけですが、この二人はめっちゃ混同しやすいです。

 

二人ともモジャモジャ頭とよれよれの袴ですから。

 

しかし明智のほうはシリーズが進むにつれて身なりが整っていきます。

 

でも金田一はいくつになってもみすぼらしいまま。

 

明智はダンディ、金田一はみすぼらしい、ってのが区別法なのですね。

 

言われてみればそうだ。

 

私はこの本の解説でちょっとそういうことが書かれてるのを読んで改めて区別の仕方を意識しました。

 

以前のブログでもちょっと書きましたが、私は金田一のほうは最近つまむようになったけど、明智というか江戸川乱歩作品は全集を読破してます。

 

でもそれも随分前のことだから、ちょっと今になって混同が進んでたのかもしれません。

 

それと、そもそも金田一がみすぼらしいのは、明智がかっこよくなったもんだから横溝は区別するために意識して一生みすぼらしいままにしたんだそうです。

 

なるほど。

 

 

 

 で、やっと本編の感想ですが、まさにいかにもな古い探偵小説です。

 

昭和前半の探偵小説は、舞台は日本でありながらもコンピューター、ネット、DNAの概念がなくさながら異世界です。今となっては。

 

昭和ロマンの世界です。

 

そんな中に、めっちゃ趣を凝らした不可解な殺人事件が起きて金田一がその謎を解いていくのですが、その前振りや過程や謎解きが、科学技術は当時のレベルだけど(またそれが疲れなくていい)、推理の論理のほうは現代でも感心するほどなので、古い(異世界)感じと古くない感じがまざってて読んでて楽しいです。

 

 

 

金田一は超有名な名探偵なので、世の中の人々はそれを頼りに彼に事件を持ち込んできます。

 

なので彼は事件に困りません。

 

そうやって持ち込まれたのが「悪魔の降誕祭」と「霧の山荘」。

 

 

しかし「女怪」のほうは金田一は旅先で偶然に事件に遭遇します。

 

さらにその事件の関係者が、金田一が日頃「好きで好きでたまらない」というほど恋してる知人の女性で偶然重なりまくりだし、その女性はアレだし、読んでていろんな意味で「うわぁー」ってなりました。

 

これはきっと金田一ファンのために書かれた小説なのでしょう。

 

さえない風体でみすぼらしくて、天才探偵だけど生活能力は低く貧乏してるかと思えばたまに高額報酬入ったら気ままに生きたり、ときに恋愛してアレな感じなところも見せたり。

 

今となっては名探偵キャラのテンプレって感じですが、テンプレが形成されていく過程を、こうして古い小説を読めば現在進行形のように感じ取れるところがいいところです。

 

1958年の作品だそうで。

 

 

あと、悪魔の降誕祭は読んでる途中で「こいつが犯人なのかな」と思った人物が犯人でした。

 

これも私は別に事件を推理したわけでなく「探偵小説的にはそうなんだろうな」っていう空気を感じたからでした。

 

 

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