岩波書店の「私たちの憲法」って本をパラ読みしました。
その中で「ん???」ってなる論文書いてる人がいました。
同性婚ができる世の中を目指してる人が「だからこそ憲法を守れ」って主張してました。
えー世の中を変えようって思う人なら憲法も変えようって思うんじゃないの~?
この本は表紙に載ってるメンバーだけでもう一目瞭然な護憲本でした。
目新しい要素は特になくいつもの人がいつもと同じことを訴えてるって感じでした。
その中でちょっと目に止まったのが「尾辻かな子」という人の「同性愛者と「日本国民」」っていう短い論文。
この人は同性愛者で日本に同性婚が法制化されてないのが不満で、それを認めろと主張としてる人のようです。
そのことは私はそんなにおかしいとは思いません。
ただ、リベラリズムの筋で言うなら、「同性婚を認めろ」「異性婚と同じ扱いにしろ」っていうのは片手落ちの主張なんじゃないのかって思ってます。
「結婚と言う制度そのものを廃止しろ」っていうほうが筋が通ってるでしょと。
同性婚認可だけだと格差が無くなるのは異性カップルと同性カップルの間だけで、結婚した人と結婚しない人(できない人)の格差は依然として残るんだから、「そもそも結婚した人もしない人も社会的に全く同じ待遇であるべきだ」っていうのが本当のリベラリズムじゃないでしょうかねえー。
ま、このことは今日書きたいことの本題ではないので省略。
話を戻して、この人の主張でひっかかったのは、憲法二十四条「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」が、「言うまでもなく同性婚を禁止する意図はない」と解釈してることです。
んーそれちょっと苦しすぎないでしょうか。
いわゆる「憲法解釈」ってやつで、憲法解釈があるからこそ日本が自衛隊を持てるくらいの、実に便利で都合のいい憲法の取り扱い方です。
「両性」っていう単語は普通に読めば「男と女」以外の何物でもないのですが、ここに解釈の幅を効かせれば同性の結婚にもあてはめられなくもないので、なんとか憲法解釈の次第によっては同性婚も認められるべきだ、というのならまだ理解できます。
でもこの人、自分流の解釈以外の解釈、つまり「両性ってのは男と女のことでしょ」っていう憲法解釈にやたら強い調子で反発してます。
憲法に反発するんじゃなくて憲法解釈に反発するのか……。
「変革」とか「新しい時代」とか、「世の中変えよう!」ってニュアンスの強い人なのに、そこまで改革派なのに、憲法に関してだけは護憲で「変えるな!!!!!!」っていうのが、ものすっごくアンバランスな人だと思いました。
だったら、人によって解釈の幅が変わるような憲法解釈に頼らないで、同性婚を異論の余地がないくらい堂々と認めるような新しい憲法を求めたほうがすっきりすると思うのになあ。
それでこの人、2014年に同性カップルの婚姻届が不受理になったときに、その根拠が二十四条だって言われて怒ってるんです。
「憲法解釈がおかしい!」って。
いやー同性婚を求めるんなら二十四条そのものを変えたほうが絶対いいですって。
「お前の解釈はおかしい!私の解釈が正しい!」の線で今後も戦い続けるのは、結局同性婚したい人は毎回裁判起こさなきゃいけないわけだから大変だと思いますよ。
なのに「憲法そのものを変えろ!」にはならないのかあー。
世の中を変えようって人が、その「世の中」の一番根本の基盤である憲法だけには「変えるな」「変えようとする側を許せない」って思う心理が私には全然理解できませんでした。
誰が何思おうが主張しようが自由ですけどね、ついていけるかは別だなと。
すごく不思議な物を見ました。それがこの本で新鮮な発見でした。
普段こういう本まず読まないんですが、たまには読んでみるものです。
今、日本で同性愛者とかLGBTとかで同性婚の法制化を求めてる人たちの間では、二十四条に関して護憲派と改憲派はどれくらいの割合なんでしょうね。
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