創元社 エラ・フランシス・サンダース著 前田まゆみ訳「翻訳できない世界のことば」って本読みました。
すぐに読み終える絵本のようなものですが、なかなか面白かったです。
この本はなんとなく見つけたときに、翻訳できない言葉なのに翻訳されて出版されてて「はあん???」と謎に思って手に取りました。
「ツッコミ待ち」ってやつでしょうか。
「An Illustrated Compendium of Untranslatable Words from Around the World」とあります。
「世界の、翻訳できない単語の、イラスト概要」。
初めてこの本を発見したときは本当に意味不明でした。
翻訳できない言葉を翻訳した本?
で開いてみたら、要するに「一言では翻訳できない言葉」でした。
その国では一言で言い表せる単語でも、外国語に翻訳するとニュアンスをなんとか伝えるために長文で解説しなきゃいけないような単語。
を、108個紹介している本でした。
原作者はどこの国の人か分かりませんが、もともとは英語で書かれてる本っぽいし、英単語は一つも載ってないので英語圏の人みたい。
その人達にとっては英語の紹介をする必要は無いわけだから無いのも当然か。
ドイツ語が5個、日本語が4個ありました。
作者にとってはドイツ語や日本語は特に独特だと思ってるみたいです。
他にもアラビア語とかイヌイット語とか世界中の変な単語を紹介してくれます。
面白いのが多いです。例えば。
ヒンディー語の「ジュガード」。
意味は「最低限の道具や材料で、とにかくどうにかして、問題を解決すること」。
この複雑なニュアンスを含めた言葉をヒンディー語ではたったひとつの単語で言い表せると。
日本語だと「やりくり」に近いけど、やっぱりニュアンスがちょっと違う感じで、その国独特の語彙って感じがします。
フィンランド語の「ポロンクセマ」。
意味は「トナカイが休憩なしで、疲れず移動できる距離」。
ドイツ語の「ドラッヘンフッター」
意味は「夫が、悪いふるまいを妻に許してもらうために贈るプレゼント」。
カリブ・スペイン語の「コティスエルト」。
意味は「シャツの裾を、絶対ズボンの中に入れようとしない男の人」。
面白い面白い。
感心します。
日本語の紹介の部分は、我々日本人だと違和感がないけど英語圏の人には不思議なニュアンスに思われてるんだなってことを感じられます。
日本語の「木漏れ日」。
意味は説明するまでもなく、「木々の葉のすきまから射す日の光」。
他にも「積ん読」とかもありました。積ん読は知らない人も多そうですけども。
でも明治からある言葉だそうで。
この本に乗ってる外国語はほとんど知らない言葉ばかりでしたが、元々知ってる言葉が二つだけありました。
ズールー語の「ウブントゥ」。
意味は「あなたの中に私は私の価値を見出し、私の中にあなたはあなたの価値を見出す」。転じて「人のやさしさ」。
ウブンチュはパソコン用語でOSの名前として知っていたけど、その語源はこの本で初めて知りました。
値段が高いwindowsとは違って、誰でも無料で自由に使えるOSのUBUNTUは、こういう南アフリカの愛の哲学の単語が語源だったのかあー。
ポルトガル語の「サウダージ」。
意味は「心の中になんとなくずっと持ち続けている、存在しないものへの渇望や、または、愛し失った人やものへの郷愁」。
これは意味も知ってました。
ポルノグラフィティが「サウダージ」って曲を昔出してたので、これは日本でもちょっと有名な単語かもしれません。
とまーこんな感じで、すぐ読み終えてしったけど、かなり楽しめた本でした!!!
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