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ケムリクサ感想 貴方のいない世界に「好き」なんてない

はあ…(余韻)。

 

ケムリクサ全12話視聴しました。すごかったです。

 

放送して一週間も経って今更ですがなんとか感想ブログ書いてみたいです。

 

 

 

 

文章のまとまりとか考えず思ったことただ書き散らします。

 

 

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とにかく幸せだったのはアマプラで週に1話ずつリアルタイムで視聴できたところです。

 

続きがどうなるのか誰も知らない状態で1週間を過ごすのは待ち遠しくて気になってその感覚がとても楽しかったです。

 

 

 

私は以前のブログにも書きましたが、結末は「みんな幸せになってほしい」と思ってはいましたが、「そうじゃなきゃ嫌だ!」とまでは思ってなくて、悲しい結末でもそれはそれで受け入れてたと思います。

 

で蓋を開けてみれば渾身のド直球の大団円。

 

ラストシーンのりんの笑顔とセリフには見てるこっちが身悶えするくらいでした。

 

心から「よかったねえ~」と思えました。

 

あそこ、本当に、たつき監督って細かい仕掛けを多用するタイプってイメージだったのが仕掛け一切無しの超ド直球ストレートの「好きだ」できたからマジで驚きました。

 

 

 

 

しかしまー本当に厳しくて辛くて残酷な世界観だったと思います。

 

「世界は残酷だ」ってやつです。

 

が、私はそれと同じくらい登場人物も結構残酷だったって思いました。

 

ワカバりりも第1話前に死んでいた姉妹もみんな、「私はこれから死ぬけど残された貴方は楽しく好きに生きて」って言います。

 

この優しさってある意味残酷だと思いません?

 

自己犠牲は美しいです。

 

自分を犠牲にしてでも大好きな人には生きていてほしい気持ちはとてもよく理解はできます。

 

しかし、残された側にとっては大好きな大切な人が死んだのにそんなことなかなか思えたものではないです。

 

「大好きな人は死んじゃったけど、残された私は何か新しく好きなこと見つけて楽しく生きようっと!」とは、なかなか。

 

実際にりりはそれができずに「自殺」してしまいました。結果論的にですが。

 

 

 

 

 

 

しかも、姉妹たちが生きている世界ってはっきり言って地獄です。

 

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姉妹は異星人のテクノロジーのカートリッジ「ケムリクサ」から生まれケムリクサで動く「ケムリクサ人間」で、食事は全く必要なく、たぶん不老か長寿で、水だけあれば生きていける種族ですが、世界には肝心のその水だけが、無い。

 

赤虫と赤霧に蝕まれ(水も奪われ)、そして姉妹も次々に死んでいく中で、世界の島々をちまちま漁ってなけなしの水をかき集めて生き長らえています。

 

そんな中でりつりなは自分の「好き(生き甲斐)」を細々と全うしようとします。

 

その様子は、例えるなら末期宣告受けた病人が病室でせめて好きな本読むようなものじゃないでしょうか。

   

私には、りつとりなの「好き」はどこか悲しいものにも見えました。

 

希望なんてどこにもないのに、無理にでも前向きに振舞おうとしてる姿がいじらしくて泣けたりもしました。

 

(「好き」がないりんはもっと悲しい)

 

 

いずれ枯渇して全員餓死するのが確定している世界です。厳しい!

 

しかしわかばが来て世界は変わります。

 

 

 

 第1話見た時点では全く情報がなく何が何やら状態で、唐突にナヨナヨした男が出てきて驚き呆れました。

 

そういえば公開されてる過去の同人版を私は敢えて見ないようにしてました。趣味の動画は見ましたが。

 

わかばの存在は全く知らなかったので変な男の登場はマジで意外でした。

 

 でも第1話で体を張ってりなよを助けて「やるときはやる男」の片鱗をちょこっと見せます。

 

それで、わかばを一番警戒してた筈のりんがそこであっさり赤面しちゃうから「チョロイン」「ラブコメの波動」とか思うわけですが、それすらも後の11話を見ると印象が激変するわけで。

 

 

 

 

その、2話から10話までの間は、言ってしまえば地味な旅物語が続きます。

 

地味とは言っても各話に(隠し仕掛けではない本筋としての)見どころもちょくちょくあったので決して退屈しませんでした。

 

現実の西日本モチーフの舞台、中ボスとのバトル、死んだ筈の姉妹との出会い、水の発見と敵(赤い木)の登場、わかばの成長、りんのツンデレっぷり、シロとの出会い。しかもこれら全部が同時に隠し仕掛けにもなってました。

 

 

そういえば、姉妹が住んでる電車とシロはどうしてもけものフレンズジャパリバスラッキービーストを連想させます。

 

でもこれ実際には連想の順番が逆なんですね。

 

たつき監督の頭の中には昔から「我が家にもなってる乗り物」「健気なロボット」の構想があって、けもフレ1にその構想が使われたってことを私は後から理解しました。

 

関係ないですが私はけもフレ1のかばんちゃんサーバルの「おうち」はジャパリバスだったと思います。

 

 

 

話を戻して。道中には疑問点もなくもなかったです。全体の素晴らしさに比べて本当に些細な点ですがいくつか。

 

 

りくは大阪の地下なんかで何を下調べしようとしてたんでしょう。

 

 

三姉妹は道中わかばがいなかったら全滅してた場面を何度も経験してるのに、わかばを「あんまり役に立ってない」って扱ってるのはなんででしょう。

 

まーこれは、道中では映ってないところでわかばが役立たずなことが活躍する回数よりずっと多かったのでしょうかね。

 

 

あと不可解だったのは、5話でりつが泣いたところ。

 

ミドリちゃんの葉は三姉妹が生きるために不可欠な存在となってます。電車の動力でもあります。というかりつの持つ様々な強力な能力の触媒っぽい。

 

なのにりつはミドリちゃんに水を与えて消費してることになぜか引け目を感じてて、わかばに「役に立ってます!」と言われて初めてホッとしたってのはちょっと心情が分かりませんでした。

 

もしかしてここは、初期の設定ではミドリちゃんはりつの実益のない趣味でしかなかったけど、後からミドリの葉の生産元とかの設定が加わって、脚本の設定と食い違いが発生したんでしょうか?

 

まー、この作品でひっかかった点って本当にこの程度です。

 

全体の評価に変わりはないし、ミドリちゃんにも私がまだ知らない納得いく解釈があるのかもしれません。

 

 

 

三姉妹は水だけあれば生きられる種族ってことは視聴してて理解できましたが、わかばはどうなのかはなかなか判明せずに結構気になってました。

 

食事はウスイロの葉を少し食べるだけ、じゃあ排泄は、とか、ね。

 

やっと判明したのは11話で、11話は本当いろんなものがガシャーン!と繋がったすごい回でした。

 

姉妹もわかばもどっちもヒトではありませんでした。

 

普通の地球人だったら即死もののダメージでも割と平気だったのにも納得いってスッキリしました。

 

 

 

全てが明かされたときには、やっぱり、りりが可哀想だと強く感じました。

 

どうやら幼いころに両親に死なれたうえに、自分自身も(琵琶湖で水難かなにかで?)一度死んでしまい、ワカバの仕事に使うケムリクサのエラーで偶発的に死体を複製されて生まれたクローンのような存在みたいです。

 

彼女にとってはワカバが自分の全てであり、赤い木を作ってしまった心情も痛いほど分かるのが辛い!

 

さらに赤い木を止めるために自分自身をケムリクサ化して分身して、そのスイッチ入れてさあ行くぞと遠隔視したときにワカバの死を知ってしまい、目的を失ってしかし分身はもうキャンセルできないから、これから生まれる分身に「あとはもう好きにして」と残して死にました。

 

悲しすぎる!

 

りりの魂は果たして救われたのか?

 

このへんは12話のエンディングの一瞬のシルエットで、「なにか救われたらしい」ということが匂わせる程度でとどめてありました。

 

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視聴者の解釈に委ねられてるってんなら、救われたって解釈しておきたいものです。

 

そうでなかったらあまりにも悲しすぎます。

 

私はこの作品で悲しい結末も受け入れるとは書きましたが、一番悲しい思いをした子がどこかで救われてほしいって、やっぱり思ってしまいます。

 

 

 

さて、そうして六姉妹は何も知らずに生み出されて、水の無い世界に放り出されてしまい辛い旅が始まりました。

 

赤い木とワカバの木の大きさとか白衣の朽ち具合から推測して数十年間くらいでしょうか???

 

 

ワカバはどうやら自分を転生させることを狙っていたようですが、数十年かかったけどギリギリで間に合って、全ての島から水が完全に消える寸前でなんとかそれができたのが、1話のわかば登場の瞬間だったと。

 

(わかばにはワカバだった記憶がありませんが、ワカバならどこかに記憶の葉も残してそうな気もします)

 

六姉妹はりょくりょうりなぞうもりくも、りなこも死んで、りん達はこのまま1島でひっそりと死ぬ覚悟でいたようですが、わかばが来たことをきっかけに、一か八かの賭け、安全な場所を求めて最後の旅に出る決断をしました。

 

ラストシーンでは見事にそれを達成するわけですが、本当にギリギリでみんなが全てのものを出し尽くして使い果たして辿り着いたゴールでした。

 

残ったのは、わかば一人と、本体の葉が3枚だけ。

 

ワカバもりりも死んだ姉妹ももとより、生き残ったみんなもミドリちゃんもモモちゃんも記憶の葉も本当に全部出し切ってたのでハラハラしたものでした。

 

りつとりな(りなむ)はもう今までの自分の好きを続けるのはもう無理なんでしょうかね。

 

(ミドリちゃんはかけらでも残ってればまた育つ?)

 

でも趣味ならまだ、新しい趣味が新しい世界で見つけられるかもしれませんけど、もしその「好き」が誰か大切な人で、その人が死んでしまったら?

 

りんは自分の「好き」がようやく分かって、それが隣にいる人で、その人が今生きてるってことは本当にギリギリの奇跡だったと思います。

 

りんは悲しい経緯で生まれいろいろ失った辛い人生でしたが、それでも彼女は幸せ者だと思いました。

 

 

 

 

 

 

視聴してる間の3ヶ月、いろいろ作品世界に浸ることができて本当に楽しかったです。

 

本当、情報を知らない状態でリアルタイムで追いかけててよかったです。

 

他人から「素晴らしい作品だよ!」と安心の太鼓判を貰ってから視聴するのとは受ける感覚はまるで違ってたと思います!

 

 

 

これから、12.1話みたいなの発表されるといいな!

 

 

 

 

Episode.1
 
INDETERMINATE UNIVERSE(ケムリクサ.ver)

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  • アーティスト: りん(CV.小松未可子)、りつ(CV.清都ありさ)、りな(CV.鷲見友美ジェナ)
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