この漫画はこの世で最もややこしい漫画を目指しているとしか思えません。
でもそのややこしさが私は楽しいです。
週刊少年ジャンプ 冨樫義博 ハンターハンター No.389 「呪詛」
今週はいくつかの陣営の様子をザッピングしながらいろいろ紹介する回でした。
まずは第1王子ベンジャミン陣営。
第9王子ハルケンブルグにつけてた私設兵シカクが拳銃自殺した謎を追っています。
えーと、ハルケンブルグは超強力なオーラの弓矢を敵に当てたら、敵の体に味方の魂を乗り移らせる能力というトンデモ能力でそんなの敵側が観察や推理だけで見抜くのは無理なのは読者には分かるので、ちょっと、推理にやたらページを費やしてる印象が強いです。
とりあえず第1 VS 第9 のバトルが本格化するんでしょうかね?
あ、シュタイナー、この人名前出たのは初めてでしたっけ。久しぶりの登場です。
この人は暗黒大陸の災厄を扱う偉い役人ですが、カキン王子同士の継承戦にも引っ張り出されてて、もうこの船の中、どこも大忙しの大混乱のテンテコマイなんだろうなあーってのが伝わってきます。
場面変わって1006号室では、協会員のジュリアーノがすっかり第6王子タイソンの守護霊獣の術中にはまってしまってました。
もうタイソンにずいぶん入れ込んでるように見えて、イズナビは彼が黄信号なのを薄々感じてるっぽい。
やばいですね。
タイソンは「愛が全て」なお花畑の人ですが、それって、崩れたときに地獄絵図になるフラグにも見えて、この部屋のイズナビ以外の人ほとんどがもうやばいです。
1007号室、第1と第9の争いのとばっちりを食らってる第7王子ルズールス陣営では、第1王子私設兵カンジドルとバショウが腹の探り合い。
バショウは「階級組織は構成員の命も平気で弾に使う」と、そういう鉄砲玉の「死後深まる念」の脅威を案じています。
そういえばこの人は初登場時は五七五で喋ってたけどもうやめました。
あと彼が「王子たち みんな仲良く 収まるよ」と詠んだら現実にならないでしょうかね?
それはそうとバショウの懸念はまさに的中してて、しかしそういうのを使うのは今週いきなり初登場した第2王子カミーラ陣営の私設兵でした。また登場人物増えたー!
私カミィ好きなんですけど、やることがえげつなくて、まさに冨樫漫画の女王蟻タイプって感じで、怖いけどやっぱり好きです。結局ただ好きなだけです。
第4王子ツェリードニヒとかもひたすら怖いけど、どうせ怖いなら美人のお姉さんのほうがいいというものです!
カキン国は貧富、身分の差が激しくて、(なのに国王は全国民からの支持が厚い感じで変な国です)その最下層にいるのは「不可持民」という被差別階級。
名前からして財産も職業も住処も全く認められてないような凄まじい差別を受けてるんだろうって想像できます。
少年ジャンプでかなりデリケートな題材を出してきてドキッとします。
身分差別描写はワンピースもあるんですけど、あっちは「天上人」とかいう階級差を上に向けてるのと、「魚人」とか架空の種族差別が主で、現実感はかなり低めです。
カミィは元から念を知ってる人で、当然自分の私設兵も念能力者で固めたいわけで、命を鉄砲玉に使いやすい被差別階級を取り入って忠誠を集めていると。
被差別階級を重用しているようで結局下賎の者の命など虫けらにしか思ってなくて、カミィはまさにカミィです。
執事長フカタキとかいうババもまた怖い。
一見若者を導く老人って感じだけど、若者を死にに行かせてるんだからたまったもんじゃないです。
被差別民の長老的な人っぽいし念にも熟知してるし呪殺のエキスパートみたいだし、そして兵隊長サラヘルも自分の命なんかもう屁とも思ってない感じで、この不可持民は一体どれほどの差別と屈辱を受けて生きてきたのか。
流星街に似てるけどあっちには自由があるだけましかもしれません。
そんな呪詛の人間爆弾がクラピカ陣営に迫る!
ただ第14王子ワプルはまだ守護霊獣の能力が謎なので、それがなんとかしそうな気も。
そして今週号の最後の1ページは第3王子チョウライ陣営。
クラピカの念能力講習は暗殺犯も大人しくしてたようで大成功に終わり、受講者は全員念の基礎を身につけました。
その一人第3王子私設兵テンフトリはチョウライからご褒美のコインを受け取りました。
確か、このコインは持ってる者に恩恵を与えるタイプで、いろんな霊獣がいろんなものをばらまいてますけど、これはそんな禍々しいものではないのかな???
来週明かされるでしょうか。
でも、来週はハンターの最終回です。たぶん。
9月に連載再開されて来週で10回目。順当ならこれでまた休載に入ります。
この9回での進展らしい進展と言えば、第8王子サレサレと、第10王子カチョウ、2人が脱落したことくらいです。
それ以外はずっと混迷と、ややこしくて難しい文章の嵐でした。
下層客船のマフィアと幻影旅団の抗争の描写は一度ちょっとあっただけでしたし。
先は気が遠くなるほど長いです。