週刊少年ジャンプ Dr.STONE Z=74 「運命の20秒」
4話遅れで感想を書いてます。
74話は羽京が千空の仲間になる話でした。
彼はいったい何を考えてるどんな人間なのか?
まー結論から言って本当に正常でニュートラルな思考の人でした。
千空と羽京がお互いに値踏みしています。
ゲン&ニッキーのリリアン歌声偽装作戦をその聴力で看破して、さらには杠&千空の司に壊された石像も救うぞ作戦も知ってた彼は、千空が司の横暴を許せないとし、またそれに対抗できる実力があることが分かって条件次第で協力を申し出ます。
その条件は誰も殺さないこと。
羽京も司が石像を壊して回ることを間違っていると思いつつも、それを阻止することをしなかった人間でした。
その理由は「人を殺したくないから」「人が死ぬところを見たくないから」。
そんな自分を卑怯者と自嘲しますが、厳密にいえば卑怯というよりは偽善って印象です。
羽京の能力だったら司を狙撃して殺すことは不可能ではないです。
いくら司といえど遠距離から一方的に狙撃され続けたらいつかは力尽きますから。
そして司一人を殺すだけで多くの命が救われるに決まってるし、ゆがんだ理想の司帝国もましになるというものです。
トロッコ問題ですが、両天秤に乗ってる命の数と重みが違いすぎます。
しかしそうしないのは、自分が手を汚したくないから。
さらに千空にもその主義を押し付けます。
まー千空だって「場合によっては司を殺すことも辞さない」とか口では言いつつも絶対にそんなことはしない男ですから両者の思惑は一致しててすぐに合意を得られますが。
千空と羽京の違いは、司に面と向かって「NO」と言ったかどうか。
それができた千空はまさに文句なしのヒーローで主人公ですが、そうしなくて日和見でその場だけの平穏に固執してた羽京はやっぱり卑怯者で偽善者です。
しかし羽京がクソキャラかというと、そういうわけでもなく、それがすごく人間らしい弱さに感じて不快感はありません。
やればできるかもしれないけどやるのが怖いことから逃げてしまう気持ちは誰にでも多少なりとも心当たりはあるかと思います。
そして羽京自身も自分がいかに卑怯者で偽善者かよく理解してそして苦しんできたことでしょう。
そのへんには共感が湧きます。
やっぱり問題は羽京やニッキー以外の司帝国の他の国民です。
司の暴力が怖くて従うのならまだ理解できますが、心の底から司の理想に賛同してる人間は本当に理解できません。
氷月はただのソシオパスだから論外。
陽も逃げました。こいつも論外、というかただクソつまんないだけのキャラでした。
そして大樹と杠も化学王国に合流し、奇跡の水の拠点奪還作戦が開始と。
しかし同じころに司に携帯(という名の大型無線機)の存在がばれて、待ったなしの状況になります。
奇跡の水の場所を奪還できるのか、したとして次はどうなるのかはまだまだ不明。
次回へ続く!