横溝正史の「本陣殺人事件」を読みました。
一緒に「百日紅の下にて」と「湖泥」の短編が2本収録されてました。
この計3本、みんな変態でした。
ネタバレあり感想!
先日「八つ墓村」を読んでから、横溝にちょっと興味が湧いています。
ちょくちょく読んでいきたいです。
私が今回読んだのは春陽文庫というかなり茶色くなってる古い文庫なんですが、この表紙、目つきの鋭い女と琴と日本刀の絵なんですが、琴と日本刀は読んだら意味がわかったのに、この女は誰なのか全然さっぱり見当がつきません。
「本陣」はおろか「百日紅」「湖泥」のどの人物にもピンときません。
謎です。
あと関係ないけど百日紅は「さるすべり」って読むんですね。
さてメインの「本陣」の感想ですが、まずはこの作品は金田一耕助の初登場作品です。
金田一の人生の時系列的にも、横溝の執筆歴的にも。
作中の金田一の初登場の時点ですでに彼はいくつかの実績のある名探偵としての地位を確立してて、警察のトップに顔が利いて田舎の警察にも紹介状ひとつで捜査に参加できるような身分でした。
素人時代に彼の頭脳に感心した知人がパトロンになってくれて探偵事務所をオープンできた恩があるので、その知人が遭遇した難事件のために呼ばれて参上したというのが今回の「本陣」の話でした。
私金田一のそういう経緯を知らなかったので素直に「なるほどー」と思いながら読みました。
さて、犯人ですが、これがなんつうか本当に「変態」の一言でした。
googleで「本陣殺人事件」を検索すると、関連検索キーワードに「本陣殺人事件 処女厨」って出てきます。
処女厨とかかなり乱暴な要約ですが、まー、的を外してはいません。
でも犯人の変態性の中で処女厨な面は全体の30%くらいな印象なので、やっぱり若干悪意的な要約です。
犯人は病的な潔癖症で、それは物理的にも精神的にもそして女にも、って感じで、まー、要するに「結婚直前で花嫁から処女でないことをカミングアウトされて許せなくて殺した」という。
かと言って今更破談にするのも自分のプライドが許さない。
だから殺した!
すごい手の込んだトリックで。
いやあー、この作品は私は映像化作品も視聴したことがなかったし、あらすじもネタバレも知らずまっさらの無知の状態で読めたので、めっちゃ面白かったです。
大満足。
短編2本も読み応えありました。
どっちも「本陣」の犯人に負けないくらいの変態が出てました。
「百日紅」では女が怖い金持ち童貞おじさんが9歳の少女を引き取って自分好みに教育して15歳になったらセックスも仕込んで20歳で完璧な妻に仕立て上げたのに、他の男にその妻を殺されちゃって、その変態性はさておき、なんか可哀想でした。
一応円満な夫婦でしたし。
「湖泥」のほうはかなりネガティブで嫌悪感がすごくて「悪い変態」が出てきました。
これはガチで気分が悪いので説明は省略して「死姦」とだけ言っておきます。
もしかして横溝の作品ってこういうの多いのかなあー。
江戸川乱歩はそういう変態性と同時に神秘性や論理性などなど多彩な魅力がありましたが。
あと川端康成も意外とけっこう変態でしたっけ。
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