週刊少年ジャンプ Dr.STONE Z=60 「天女の歌と悪魔の囁き」
先週いきなり登場したレコードは、結論から言って今後の布石のための要素でした。
千空の義父百夜が残したレコード、私としては先週読んだときはこれで新しい事実が判明することを期待していましたが、新事実とか新情報とかそういう感じのものではなくて、ぶっちゃけ、百夜がただ千空を激励するだけのものでした。
それは私の期待してたものではありませんでしたが、かといって決して意味のないものではありませんでした。
なので失望とか落胆とかいう感想はないです。今週。
百夜がこのレコードを製作したのは、千空のためというより、リリアンのためだったのだろうと私は解釈しました。
宇宙飛行士千空とたまたまいっしょに宇宙旅行に参加したために全人類石化から逃れる数奇な運命を辿った非宇宙飛行士そして世界的歌手のリリアン・ワインバーグ、おそらくは百夜の妻となった彼女のためのレコードです、これは。
彼女は自分たち以外の全人類が「滅亡」して、これまで人類が築いてきた芸術が消滅することを悲しんでいましたが、彼女の歌声を収録したこのレコードが残る限りは決して芸術は完全消滅はしないことになります。
百夜はリリアンが希望の心を失わないためにこのレコードを製作して保存したのだと思いました。
千空へのメッセージはほとんど中身はありませんでしたので、やっぱりこのレコードの本題は100%彼女の歌です。
私はどっかの孤島で一生を終えた百夜たちの人生にはまるで納得はしていないのですが、彼が妻のためを思ってこういうものを残そうとした心意気には素直に感銘を受けました。
そして、漫画の筋道としては、このレコードは次なる展開への布石になる小道具だったようです。
リリアンの歌声を聴き、感動しまくる子孫の村人たち。
世界中の石像を復活させれば素晴らしい芸術や感動をみんなで共有できるんだと、打倒司帝国への士気があがったそうです。
でももし実際に世界中の石像がみんな復活できたときには、石神村のみんなは社会の中でどういう存在になるのかなんか不安もありますけどね。
全人類70億人の中で50人程度の超小数民族で、文明をまるで知らない原始人なわけで、彼らは大勢の現代人とうまくやっていけるのか。
まーそのへんはまだまだ先の話です。
ともあれ感動する村人たちを見てゲンは何かを思いついたようです。
(その途中で、ゲンが、村人を戦争に駆り出す千空の心情をさりげなく気遣うシーンは地味に素晴らしかったです)
「レコードの音質」をヒントに。
それは、なにやら司帝国を無血で攻略する作戦のアイデアらしいのですが、ゲンは「実行すると自分と千空は地獄に堕ちる」なんて言ってしまってます。
千空はそれを喜々と受け入れていますが、まーこのへんの二人の偽悪趣味ははっきり言って茶番です。
どんな作戦かは私にはまだ全然予想もつきませんが、要するにたぶんなにか、司帝国側も石神村側も両方を騙してそして停戦させるペテンのアイデアなのでしょう。
殺し合いより停戦のほうがよっぽど心ある選択ですが、それを仰々しく「地獄に堕ちる」って言っちゃうのは二人のただの趣味です。
この漫画読んでて今更「え!?千空とゲンが悪いことをしちゃうの!?」って思う人なんているんでしょうかね。
あ、ゲンのフルネームは漢字で「朝霧幻」なのね。
次回へ続く!