週刊少年ジャンプ Dr.STONE Z=55 「TRESURE DUNGEON」
今週はちょっと都合のいい和解劇で正直あまり面白くはありませんでした。
洞窟の奥に硬くて重いタングステンがありそうなので採取に向かうクロム洞窟探検隊。
電球が3つなのでメンバーも3人。
鉱石の鑑定ができる千空と探検に長けてるクロムと、最後の一人がマグマ。
その人選の理由は彼が村一番の力持ちだから。
しかしマグマとは遺恨が残りまくりで、千空はその人間関係のリスクを極端に無視してます。
だったら村で2番目の力持ちを選んだほうがずっと合理的です。
マグマもマグマで、案の定、こういう漫画のこういう展開のときのキャラ変節が起きてしまっています。
彼はゲンを殺人未遂して、村長を決める御前試合では病気のルリを「とっとと死ねばいい」とか発言してて、かなり悪質な人間でした。
しかしなぜか今回は千空が穴に落ちかけてるのを見てとっさに助けて自分が落ちるなんて行動を取っています。
キャラ変わりすぎ。
マグマ自身の心境が変わった明確な理由がないとこういうのは本当不自然です。
(それと彼が仮に会心しても、これまでの悪事をただ流して清算しなかったら道理に欠けます)
ただ完全にまったく駄目ともう決まったわけでもありません。
探検出発の直前にゲンがマグマになにかを囁いていました。
ここになにか彼らが和解するに足るだけのよいきっかけがあるのかもしれません。
それ次第では今回の和解劇もいいものになる可能性もあるのでまだ全体的評価は保留です。
千空が探検隊にわざわざマグマを選んだのも、彼が自分らに危害を加えない確信がなにかあったと後から判明する可能性もあるかも???
そういえばそのゲンは3人が出発したあとの村で何かを企んでいるようです。
ゲンも千空と同じで偽悪趣味があって、かなりの悪い顔をわざわざ作ってみせています。
でもこの漫画ではこういうの何度もやってるから「ゲンは実は悪いこと企んでるの!?」って思う人はもういないんじゃないでしょうか。
子どもや若い読者ならそうでもない???
今週はなんか冷めた視点で読んでしまいましたが、よかった場面がなかったわけでもありませんでした。
マグマの本心らしきものは自然の弱肉強食の理屈としては確かにまっとうな考えです。
それに対して千空は文明社会のあり方を説きます。
適材適所の役割分担の分業でバカでも弱くても社会の何かの役には立てると。
資本主義社会とか経済格差とか結構歪んでる現代社会では、千空の言うことは綺麗事であり100%賛同できるわけではありませんが、理屈の上では間違ってないし世の中そうであってほしいものです。
千空たちがこのストーンワールドでこれから作る社会がそんな自然環境と科学文明との調和が取れた社会になるかもしれません。
はかない希望を感じなくもないです。
そんなこんなで千空を村長だとようやく認めたマグマが、水中のすごい技を披露して千空を助けました。
シンクロナイズドスイミングのジャンプとかリフトとかの超すごいバージョンみたいな。
あるいはシャチやイルカのショーで人間をトスするスゴ技。
これでタングステンの採取ができてケータイ(正しくは無線機ですが)の製作が一気に進みそうで、そこは純粋に楽しみです。
今週は合併号で、次回は5月2日に続く!