「ジェネリック引っ越し社」というのは私が勝手に作った言葉です。
ジェネリックと言えばまずジェネリック医薬品を思い浮かべると思いますが、ジェネリック(generic)って単語そのものは「一般的な」「ブランドに囚われない」って意味らしいです。
だからなんだかそれっぽい意味を指したいときに最近はけっこう気軽に応用される言葉になってきた感じがあります。
大手家電メーカーの製品と機能の面で(ユーザーが最低限これだけあればいいと思う機能に絞って)引けを取らない中小メーカーの安い家電を「ジェネリック家電」と呼んだり、あと都民ファーストの会を「ジェネリック自民党」と揶揄するネタも見かけたりしました。
私が思う他にジェネリックと呼びたいものと言えば。
大手携帯キャリアと比べて毎月の支払いが安いmvno(格安SIM)はジェネリックスマホ!
大手航空会社と比べてサービスなどを簡素化して運賃が安いピーチとかジェットスターみたいなLCCはジェネリック航空!
ジェネリック医薬品と同じように多くのメリットと少ないデメリットを自分で見極めて利用していきたいものです。
そして「この分野もジェネシックな選択肢があるよ!」と言いたいのが引っ越し業者なわけです。
先日引っ越ししました。
引っ越しに自分が関わったり取り仕切ったりしたのはこれで2度目です。
また10年以上前のことですが引っ越しの派遣アルバイトやったことあります。
それで思ったのが「引っ越すのに大手に頼む必要性は私にはないなあー」ってことでした。
先日の引っ越しはなかなか精神的に大変な作業で見積もりは2社だけにしました。
サカイ引越センターとアイズ引越プランニングという関西中心の知名度の低い引っ越し社との2社です。
(心の余裕があればアリさんマークとも見積もりしてみたかったです…ブラック企業なのかどうか見るために)
見積もり額はめちゃくちゃ違っていました。
サカイは見積書写真では206280円ですが、BSアンテナ2個の移転費用が46000円(!)でそれは結局利用しないことに決めたので実際には160280円です。
一方のアイズが97200円でした。
その差は62080円です。
私にとってはあまりにも差が大きすぎてアイズと契約しました。
それにしてもBSアンテナ移転の費用には度肝を抜かれました…。
まずはそっちの話をしておきたいです。
引っ越す前うちは古いBSアンテナとCSアンテナを1個ずつ設置してて、私自身どっちもほぼ視聴しないので詳しくなくて今は両方を兼ねるアンテナ1個あればいいことを知りませんでした。
なのでBSCS共用アンテナを新しく1個買って新規の設置という形で他の業者に依頼すれば移転工事費よりも圧倒的に安くなることが見積もりの直後調べてわかったのでそうしました。
その費用は(スカパー新規キャンペーンを利用して)アンテナ本体代と工事費合計で10000円で済みました。
もし調べずにアンテナ移転をサカイで頼んでたら46000円…。
アイズのアンテナ移転費は忘れてしまいましたが46000円よりは安くて10000円よりは高かったのは確かです。
ちなみにエアコン移転費はどちらもほとんど差ありませんでした。
話を戻して引っ越し見積もり額の差についてですが、私の引っ越し経験で1度目はサカイを利用して今回はアイズで2社のスタッフの仕事ぶりを見てたら、やっぱり変わらないとしか思えないのでした。
人間が荷物を抱えて積んで降ろす仕事は私もそれをやった経験から、6万円高いところを選べば6万円分何か仕事ぶりが良くなるのか、私には違いは分かりませんでした。
サカイやアートなら長く研修を積んだ一流スタッフというイメージがあるかもしれませんが実際には正社員を装った派遣素人バイトが混ざってる可能性はどこにでもありますというか私がそれでした。
大手も中小もそんなに違わないです。
3月4月の引っ越しシーズンならなおさらです。
いや、もしかしたら大手のスタッフは優れててジェネリックだと劣ってるっていう差はあるのかもしれませんが、客観的に証明するのは困難ですし、個人的見解だと今回なさそうに感じたということで。
こういう不明瞭な差でも必要になる場合といえば、高級家電や高級家具が多くて扱いに神経質にならざるをえない富裕層でしょうか。
何万円かの差額を出してでも一流スタッフが多く来る可能性を少しでも高めたいと思うような人なら…。
補償内容そのものは2社とも大差ありませんでしたし、うちは高級家電とか特にないので関係ありませんでしたけど。
パソコンなどのデータが大事な精密機械は自分で運びました。
6万円は何の差なのか、アイズの見積もり担当者から言わせれば広告費だそうです。
全国規模のテレビCMをバンバン打ってるその費用だと言うのです。
6万円全てがそうだとは思えませんが、確かに決して安くないCM代がここに含まれていないわけはないです。
それと上の見積書ですが、サカイはポータブルプリンター持参でご丁寧に綺麗に印字されたものを出してきましたが、アイズは手書きの複写紙です。
こういうところも機材を使ってでも見た目の綺麗さ重視するか見積書は手書きで十分だと思うかでも違います。
サカイは作業着とか養生のための道具とかが統一されていましたし。
ブランドイメージというかネームバリューというか。
サカイの6万円は決して全ての人にとって払う必要のない無駄なお金だとは言いません。
実質的なもの以外の部分にもお金が使われていることが重要だというケースも世の中にはあることでしょう。
引っ越し社のクチコミ比較サイトを見るとどこの社も「仕事も態度も最悪で二度とここは利用しない!」などなどまじで酷評ばっかりです。
当たり外れもあるのでしょうが人によって基準がまちまちであることの証拠だと思います。
引っ越し社も医薬品やスマホと同じように、どこからどこまでのサービスを求めてるのか、大手かジェネリックかどっちがいいのか見極めるのは結局自分ってことなのでした。